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番外編:リース不在中の話 クレアの場合

クレア編です。

番外編は以上です。本編をお楽しみください。



「はぁーー」

 

 最近、リース様に会えてません。体育祭の日以来です。


 あの日、執事のバースに出ていったことがバレて、それからというもの私の外出を禁止しているのです。


 勉強の量も多くなり、私自身が自分のことで手一杯になってます。リース様から会いにきてくだされば……なんて妄想ばかりです。


 お父様の情報によれば、リース様は体育祭に優勝して、そのご褒美でクラスの皆様と旅行に行っているようです。行き先は我が国と友好国であるカロナール。マルスおじ様が国王を務める国です。


 リース様はマルスおじ様と会うようなので、王城に行くのでしょう。なら、おそらくシグとメグにも会うはずです。シグは男なので関係ないですが、メグの方がどうなるか……。リース様に興味を持たなければよいのですが。



 翌日、お父様から衝撃の話を聞きました。


「リースがシグとメグの家庭教師を引き受けたそうだ」


(な、なんですってー!!)


ずるいです。私も教えてほしいのに……。

色々なことを話したり、どこかへ行ったり、出来ることならずっと一緒に……。


 って、そんなの無理ですよね。これでも私は王女です。そんなワガママが通るわけない。


分かっています。分かっているけど……。


 おっと、いけません。私は笑顔でいなければ。それがお母様との約束ですから。


「クレア!」


「お父様、なんでしょうか?」


「そのだな、リースが帰ってきたら私も魔法を教えてもらおうと思うのだが、クレアも一緒にどうだ?」


「お父様!!ぜひご一緒させてください!」


 やった!リース様といられる!うふふ、思わず笑みがこぼれてしまいましたわ。


 リース様、早く帰ってこないかな。



 我が娘、クレアの様子がおかしい。原因はおそらくリースだ。クレアは多分リースに惚れている。いや、絶対だな。


 クレアは時々独り言が口に出る癖があるのだ。さっきも「リース様」と呟いているのが聞こえた。


 最近はバースがクレアの外出を禁止にしているから、リースに会うことなんて滅多に出来ない。まして、リースは現在国外におる。会いたいのだろうな。


 仕方がない。クレアも年頃の女の子だ。恋の一つや二つあるだろう。わしが一肌脱いでやるか。


 だが、交際となれば話は別だがな。

 その時は直々に見極めないと。


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