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第73話 休日のお出かけ 1日目



 休日の1日目。


 まず俺とステラは寮で待ち合わせて、水族館に行くことにした。今はまだ午前中で朝食を食べたばかりなので、ケーキは午後からにしようということになったのだ。


 水族館は王都に一つしかないので、休みの日はよく混雑しているらしい。今日もそれなりに人がいたが、混雑というほどでもなかった。


 水族館では色々な生物を見てまわった。熱帯魚や大型の魚、海獣まで様々な生き物がいて面白かった。


 その中でもステラが楽しそうにしてたのはペンギンのブースだった。ペンギンは種類によって色々な大きさがいて、手のひらサイズの種類なら実際に触れ合うことが出来た。


 その時のステラの顔は文字通り目が輝いていた。

 確かにこのペンギンはとてつもなく可愛かった。


 ひと通り館内を周った後、ショーが行われるというので見に行った。


 ショーは外の特設ステージで行われており、イルカやアシカなどたくさんの生き物が出演する。


 このショーの目玉はイルカのパフォーマンスなのだが、どうやら魔法が使われるらしい。どんなものになっているのか、とても楽しみだ。


 ショーが始まると、軽快な音楽と共にたくさんの生き物が出てきた。その生き物たちが、音楽に合わせてパフォーマンスを始める。


 その精錬された動きに圧巻された。長い期間、練習したんだということが分かる。これは見に来て正解だったな。


 ステラもとても笑顔で見ていた。生き物たちのパフォーマンスに合わせて、表情をコロコロ変えるところはなんというか、ステラらしかった。


 そして、とうとうイルカのパフォーマンスタイムだ。

 普通、生き物が関わる場所では魔法は使われないのだが、ここは特別らしい。なんでも館長が国王に直談判したとか。その甲斐あってか、このイルカのパフォーマンスは評判がとてもいい。


 そしてその評判通り、パフォーマンスはとてもすごかった。イルカの動きに合わせて魔法で水流が上がったり、

虹がかけられたりと、とても綺麗だった。


 極めつきはラストのイルカの大ジャンプだ。そんなに上がるのか!?と、うっかりツッコミそうになるのを抑えつつ、見ていた。そのぐらい高かったのだ。


 ショーを見終わった後は、館内でお土産を買った。

 もちろんレイナとミルの分だ。何が欲しいのかは正直分からなかったから、クッキーを買った。これなら喜んでくれるだろう。


 その後はお昼ご飯を食べて、水族館を出た。

 いよいよお目当てのケーキ屋さんだ。



 そのケーキ屋さんは大通りの途中にあった。たしかにこの場所なら流行るのも頷ける。


「ここがそうだね」


「ああ、入るか」


 中は女性客でいっぱいだった。男子は俺一人だけの気がした。


(うっ……。これはなかなか厳しい……)


 だが、これは約束だ。約束は守らないといけない。


 俺は少しの恥ずかしさを我慢して、注文の列に並ぶ。


「楽しみだな〜。リースくんは何食べる?」


「うーん、どうしよう。数が多くて悩むな」


 このケーキ屋さんは種類がとても豊富だ。ざっと100種類近くある。思いがけず、めちゃくちゃ悩んだ。


 そして順番が回ってきた。


「いらっしゃいませー!店内でお召し上がりですか?」


「はい」


「今なら期間限定でカップルケーキというものがありますが、どうなされますか?」


 そう言って提示されたのはハート形のケーキだった。

 いかにもな、そのケーキを俺を華麗にスルーした。


「これとこれ。お願いします!!」


 ステラも俺に続いて注文していた。


 注文が終わったら、ケーキを受け取り空いている席に座る。


「あのケーキはさすがに……ね?」


「そうだな。たとえカップルだとしてもキツい……」


 そんな会話をしつつ、ケーキを頬張る。

 さすが人気なだけあって、ケーキはとても美味しかった。

甘いのだけれど、何個食べても嫌にならない甘さをしていた。


「……おいしい!!このチョコケーキおいしいよ!」


「こっちのモンブランもいいぞ!」


 他愛もない会話だけれど、とても楽しかった。

 ケーキを満喫した後、一杯のコーヒーを飲み、店を出た。

ちなみにコーヒーは俺はブラック派なのだが、ステラは砂糖をガンガンに入れていた。苦いのが苦手なんだろうな。


 もちろん会計は俺が払った。これは男の務めだ。



 時間が過ぎるのは早くて、もう夕方になっていたので帰路についた。


「今日はとっても楽しかったよ!!付き合ってくれてありがとうね!」


「俺も楽しかったよ。またどこか行こうな」


「うん!絶対だよ!」


 その後、寮に着いた俺たちはその場で解散にした。


 明日はミルとの約束があるので、今日は早めに寝ることにしよう。


 そう思いながら、自分の部屋に入った。


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