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第71話 グラスカと神器



 数日後、俺はシグとメグの卒業テストを行った。


 2人は俺が定めた水準を超えたので、このテストに合格すれば卒業、つまり俺の家庭教師期間が終了となる。


 俺が出した課題は冒険者学校の生徒でも、こなすのは難しい課題だったが、2人は難なくクリアした。


「……よし、2人とも合格だ。これにて俺の家庭教師期間も終了だ」


「先生、今までありがとうございました。先生のおかげでとても強くなれました。このご恩はいつかお返しします!」


 メグはいつものくだけた感じではなく、しっかりとした口調でお礼を言った。


「ああ、楽しみにしてるよ」


「リース、本当にありがとう。お前がいなけりゃ俺は魔法を使えずに、どんどんダメになったと思う。いつか、お前がピンチになった時は俺が助けるから。……本当にありがとな」


「ああ、よろしく頼む」


 こうして俺は双子の家庭教師を終え、レルフランド王国に帰った。



 翌日、俺は久しぶりに学校に行った。

 約2週間ぶりだ。みんなどうしてるだろうか。


 扉を開けて教室に入る。すると、入った瞬間にステラ、レイナ、ミルの3人が俺のところにやってきた。


「もう!帰ってくるのが遅いよ!」


「いつまでやってるのよ。もっと早く終わらせなさいよ!」


「……ずるい」


 どうやら俺が今日から学校に戻ることは知らされていたみたいだ。


「悪い悪い、つい没頭してしまってな。今日からまた一緒にいれるから」


「ねえ、あの約束忘れてないよね?王国祭の前にした約束」


「……そうだよ。私たち2人に付き合わないといけない」


 あぁー、そういやそんな約束もしたな。仕方ない、次の俺の休みは無しだな。


「もちろん覚えてるよ。ステラはケーキ屋さん、ミルは...どこだ?」


「……それは行くときに言う」


「じゃあ次の休みは2人と出かけるよ。順番は1日目がステラ、2日目はミルでいいな?」


「いいよ!」


「……うん」


 その時、扉が開き理事長が入ってきた。


「お、リースじゃないか!久しぶりだなー!」


 いや、あんた知ってるだろ。なに知らない体で話してるんだ。


「よし、授業を始めるから席につけー!」


 いつも通りの授業が始まった。



 放課後、昨日サリアさんに聞いたウェルグ=グラスカのことと、レイナの家名であるグラスカの関係について聞いた。


「レイナ、ウェルグ=グラスカって知ってるか?」


「ええ。私のご先祖様だもの」


 やっぱり繋がってたな。次は神器についてだ。ウェルグが持ってたのは『宝杖ケイオン』という神器だ。この神器は魔法の補助を主にその用途とする。ケイオンを使うと使わないで、魔法の威力は最大10倍の差は出ると言われる。


「なら、『宝杖ケイオン』は?」


「たしかグラスカ家に代々受け継がれてきたらしいけど、今はないわ。大分昔に突然消えたらしいわよ」


 突然消えた、か。おそらく誰かに盗まれたんだろうけど、別の線もなくはない。この前のことで神器にも意思があることが分かった。神器が自らの意思で消えた可能性もある。


「急にそんなこと聞いてきて、どうしたの?」


「いや、少し神器について調べててな」


 クロス・イグニスの一件以来、他の神器でも同じことが起こるのか気になっている。だが、俺の周りに神器はクロス・イグニスとギルスターしかない。サンプルがもう少し欲しいのだ。


「今度親にも聞いてみるわ」


「ありがとな」


 レイナに神器のことを聞いたので、ひとまず帰ろうとしたその時、覚えのある大きな魔力反応がこちらに近づいてくるのに気がついた。


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