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第7話 剣術試験でコネができた



「はい。これは僕がやりました。すみません」


 ここは変に何か言うより、素直に認めた方がいいだろう。


「いや、まぁいいんだが。どうしようかと思ってな」


「ああ、それなら問題ありません」


 そう言って俺は今即座に作った魔法を発動する。これは

『範囲記憶修繕』と名付けた。ある一定の範囲のものを全て自分が記憶している通りに戻すという魔法だ。これを使って俺は試験会場を元どおりに直した。


「これで大丈夫ですよね」


「あ、ああ。てか、一瞬で元どおりになったのは何をしたんだ?」


「魔法ですよ」


「そんな魔法聞いたこともないんだが」


「まあ今初めて使いましたからね」


 これ以上はさらに面倒になりそうなので、剣術試験へと向かう。


「ちょっ、君待って!」


 何も聞こえない。


 そうして俺は剣術試験の場所に来た。

 剣術試験では試験官と一対一で戦う。その戦いぶりで点数がつけられるのだ。


「次、リース=グレイアス」


 俺の番だ。剣術は前世で随分練習したからな。前世で魔物と戦う時、魔法だけでは何かと不便なのだ。だから近接戦闘の手段として使えるようにしておいた。


「じゃあ行きますよ?」


「ああ、いつでも来い!」


 俺は『身体能力強化』を使って距離を詰める。

 そして袈裟斬りをする。これを試験官は軽々と止める。

これは想定内。逆にこれぐらい止めてもらわないと困る。


「おっ、なかなか強いじゃないか」


 試験中に話しかけるなよ。試験に集中しろよ。


 俺は今回魔法ではなく剣術で勝とうと思っている。

 俺の剣術がどの程度まで通用するのか、見るつもりだ。


 俺は一度距離を取る。そして一気にスピードを上げて、一撃を放つ。試験官はこの剣を止める。が、


「がはっ!?」


 試験官の脇腹と肩に浅い傷ができる。

 試験官は困惑している。まあ、止めたと思っていた斬撃で斬られたのだからな。


 でも、俺は特別なことはしていない。ただ斬撃を飛ばしただけだ。これは難しいことではない。練習すれば誰にでも出来る。


 飛ばした斬撃の止められなかった部分が当たっただけだ。その証拠に彼の後ろの地面も少し斬れている。ここにも斬撃が当たったのだ。


 そして俺は右に回転しながら遠心力を利用して、試験官の剣を弾く。その隙に首筋に剣を当てて、試合終了だ。


(よし、剣術試験では何も起きなかった )


 そう思っていると、


「君すごいな。よく僕に勝つことができた。僕はこれでも一応A級冒険者なんだけどな」


 A級冒険者?冒険者の階級かな?A級というのはすごいのかどうかが分からないから何とも言えないけど。


「君、リース君といったよね。覚えておくよ。何かあったら僕に頼りな」


「あ、はい。ありがとうございます」


 ひとまずお礼はしておく。礼儀は大事だからな。


 とりあえず試験は終えた。おそらく合格は出来てると思うが、油断は出来ない。試験会場をぶっ壊したしな。明日は覚悟して見に行こう。


 そう思いながら宿に向かっていると、何か視線を感じる。

この魔力反応は確か試験会場にいた、レイナ=グラスカって人かな。


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