表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/119

第68話 生徒会長のサリアさん



 次の休みの日、生徒会長のサリアさんが俺の授業を見にきた。


「今日はよろしくね」


「はい、もしよろしければ参加してください」


「なら、そうさせてもらおうかしら」


 俺はいつも通り授業を行った。サリアさんは無詠唱魔法を使いたいと言っていたので、使い方を教えてあげた。サリアさんも飲み込みが早く、すぐに使えるようになった。


「すごいですね、もう使えるようになるなんて」


「リース君の教え方がうまいのよ。とても分かりやすかったわ」


「そうだよ、先生の教え方は上手だよ!」


「あ、ありがとう」


 褒められるのは慣れてないので、反応に困ってしまった。


「リース!ちょっと来てくれ!」


「お、おう」


 シグに呼ばれたので、俺はその場を逃げるように去った。




 その後も授業を続けた。教えている人が強くなっていくのは、俺自身も嬉しくなった。


 そして授業をそろそろ終わろうかと思っていた時、


「リース君、あなたが持っているその剣って、もしかして神器かしら?」


 俺は驚いて、黙ってしまう。

 そうなってしまったのには理由がある。


 神器はたくさんの魔力を持っているが、普段はあまり外に出ないようにしている。魔力を多く放出させていると、神器とバレてしまうからだ。神器は強力なので、狙うものも多い。俺が負けることはないが、追い払うのも面倒なのでバレないようにするのが一番なのだ。


 だが、この魔力量でバレるということは探知系の魔法が使える人間ということになる。この時代にはもういないかと思っていたが、油断したな。


 少しカマをかけてみるか。


「なんでそう思うんですか?」


 そう言って、俺はサリアさんの魔力反応に集中する。少しでも嘘をつけば、魔力反応が乱れるからな。


「私も持ってるからよ。……神器をね。」


 な、神器を持ってるだと!?生まれ変わってから初めて会うぞ。


「まあ、持ってるといっても私は使ったことないんだけどね」


「……どういうことですか?」


「その神器ってのは私の家に代々伝わるものなの。『覇弓リヴィエラ』って神器なんだけどね。もしかして知ってるかしら?」


「はい、知ってます」


 『覇弓リヴィエラ』といえば、俺の前世の時代に最強と言われた冒険者集団「暁の翼」のメンバーであるユリナ=オルドレッドが持っていた。俺も一時期の間、共に行動していたから知っている。もしかしたらユリナの末裔か?


「やっぱり知ってるのね。今度見に来る?」


「え、いいんですか?」


「いいわよ。次の休みでいいならね」


「ぜひ行かせてください!」


「うふふ。おもてなしするわ。オルドレッド家の名にかけてね」


 やはり家名はオルドレッドか。今度おじゃまさせてもらう時に聞いてみるか。


「あ、シグたちも誘っていいですか?」


 シグとメグは国王に呼ばれたので今はいない。


「ええ、いいわよ。ぜひ3人で来てね」


「ありがとうございます!」




 シグとメグが戻ってきた後、その話をした。2人とも目を輝かせていたので楽しみなんだろう。やはり双子なだけに仕草も同じだった。いいな、兄弟って。俺も久しぶりに兄に会いたくなった。


 今日の授業は終わり、サリアさんは帰った。

 まさか「暁の翼」のメンバーの末裔がいるとはな。あいつらは六人組だったが、全員神器を持っていた。もしかしたら他にも末裔がいるかもしれないな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ