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第6話 入学試験



 次の日、俺は試験を受けるため学校へやってきた。


 王立冒険者学校。これが俺が入学しようとしている学校だ。


 冒険者になろうとする人は大抵この学校に入学する。その方が後々面倒にならないのだ。


 受付へ行き、名前を伝えて受験番号をもらう。


 試験の内容は魔術試験と剣術試験だ。

 両方100点満点で最大で合計200点が取れる。


 俺はさっそく会場へ向かった。受験番号で2組に分けられ、俺は先に魔術試験を受けることになった。


 魔術試験は魔結晶に向かって魔法を撃ち込み、その威力で点数を出すようだ。


 魔結晶というのは種類により様々な効果のあるだ。   

 今回のは魔法を撃ち込むと、その威力が測定されるという結晶だろう。これは前世から試験の時に使われていた。


 試験が始まった。最初の受験者が魔法を撃つ。


「炎よ、我が手に集まり全てを燃やせ!ファイアーボール!」


 受験生が放った魔法はゆらゆら揺れながら結晶に当たる。

 その魔法は結晶に当たった瞬間、跡形もなく消えた。


「「「「おぉーー!」」」」


 周りから歓声が上がる。


「あいつやるなぁー」


「今回の受験者はレベルが高いな」


 これでか!?あんな魔法じゃ一番弱い魔物ですら倒せないぞ?


 その後も数々の受験者が試験を行うが、全員最初の奴と変わらないぐらいの威力しか出ていなかった。


 これはひどいな、、、。そう思っていると、


「おい、あれ見ろよ」


「あれはレイナ=グラスカか...。あんな大物までいるのか...」


 何だろう、あの人。有名みたいだな。たしかに他と比べて魔力量は多い気がするが。


「光よ、数多の敵を撃ち抜け!ラピッドライト!」


 たくさんの光が魔結晶目掛けて飛んでいく。


(さっきまでとは格が違うな。)


 だが、やはり効率が悪い。あの歳であれだけの魔力量ならもっと強い魔法が撃てるのに。実にもったいない。


「次、62番!リース=グレイアス」


 やっと俺の番が回ってきた。正直このレベルなら、ある程度力を抑えないといけないな。そうしないと色々面倒になる。


 俺は魔法を構築する。今までとは桁違いの魔力が辺り一帯を包む。


 そして次の瞬間、真っ赤な炎が魔結晶を中心に広がり、空高く伸びていく。


(あれ、でかくなりすぎたか、、、)


 炎が消えた時には魔結晶は粉々に砕け散っていた。


(ん?魔結晶が粉々になってる?)


 俺の記憶では魔結晶はこの程度の魔法では破壊されないはずだが。魔結晶がもろくなってたのか。


「な、なんだ今の魔法...」


「威力がおかしすぎるだろ」


「てか、詠唱してなかったんじゃないか?」


「は?無詠唱で魔法が撃てる訳ないだろう」


「ねえ見て。魔結晶が粉々になってる」


「もう意味が分からん、、、」


 色々な方向から声が聞こえる。やはりやりすぎだったか。


 俺が今使ったのは配位魔法という魔法だ。創生魔法で作ったこの魔法は別の魔法と組み合わせて使う魔法だ。


 ふつう魔法は自分の魔力を使って撃つのだが、この魔法を使えば大気中の魔力を自分の魔力に変換して撃つことができる。要するに自分の魔力をあまり減らさずに強力な魔法を撃つことができるのだ。


 それにしても全員固まってるな。


「あ、あの...」


「え、あ、はい。すみません。えーと、どうしましょう」


 いや、俺に聞くなよ。


「なんだ!今のバカみたいな魔力は!」


 別の試験官の人が来たみたいだ。あの人に聞くか。


「すみません。これってどうなるんですか?」


「ま、魔結晶が粉々になってる...」


 あー、これはまずい気がする。


「君か!これをやったのは」


 ほらな?面倒なことになっただろ?



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