第5話 旅立ち
五年の月日が経ち、俺は10歳になった。
魔力の増強や基礎体力の向上だけでなく色々なことを行った。これだけやれば同年代には負けないだろう。
今日は王都の学校へ入学するための試験を受けるため、領地を出るのだ。俺は父さんが呼んでくれた馬車に乗り込む。
「リース、頑張ってこいよ」
「うん!それじゃあ行ってきます」
家族全員で見送ってくれる。そうというのも試験に合格したら、学校は全寮制なのでここにはしばらく帰ってこないからだ。
「出発しますね」
馬車が動き出す。こうして俺は発展のための一歩を踏み出すのだった。
◇
王都には特に何事もなく着いた。
道中、魔物が何体か出てきたが御者に気づかれる前に倒して、素材は収納魔法にしまっておいた。索敵魔法も使ってなかったようだし、知らないだろう。
試験は明日なので、今日はひとまず王都を散歩するつもりだ。どこに何があるかは知っといた方がいいしな。
そう思って歩いてると、武器屋を見つけた。剣は自分のものを持っているのだが、一回見てみることにした。
店に入って俺は驚いた。武器の質が悪すぎるのだ。これなら今の俺が即席で作ったものの方がまだマシなものになるぞ。一応鍛治の知識はあるからな。
この時代の鍛冶屋の質も分かったところで店を出た。
(これは色々変える必要がありそうだな)
そんなことを考えながら、宿に入って部屋を取る。
宿には俺と同じく、試験を受けるであろう人でごった返していた。
(多いな...)
おそらく試験を受ける人はこれだけではないだろうから、少なくとも200人くらいはいるだろう。
俺は明日のために夕食を食べたらすぐ寝ることにした。