第39話 魔銃ギルスター
俺たちは最後の部屋に入った。
部屋の中には遺跡と同じように、さまざまな財宝や武器が置いてあった。
その中でも一際目立つのが神器『魔銃ギルスター』だ。
『魔銃ギルスター』は黒色の銃身に銀色の線が入っている仕様だ。
「ねえねえ、あれが神器?」
さすがに分かるみたいだな。神器は他の武器とは保有する魔力量が違うからな。
そんな話をしていると、レイナが何も言わずに神器の方へ近づいていくのが見えた。
「ねえ、リース。レイナの様子が何か変」
「あー、あれなら大丈夫だ」
レイナは神器を手に取り、何も無い壁に向かって、魔銃を撃った。その壁は音を立てて崩れた。衝撃でレイナは我に帰ったようだった。
「あれ、私……。え?なんで神器を持って?って、壁が崩れてる!?」
「それレイナがやったんだよ?」
「え、もしかして悪いことしちゃった?」
レイナはおそるおそる聞いてくる。もちろん、答えはノーだ。
「いや、全然悪くないぞ。だって、それ神器がやらせたことだし」
「それ、ほんと?」
「ああ、てか意識無かったろ?」
「よかったーー!一時はどうしようかと思ったわ」
「迷宮の神器にも人間との相性があってな。神器は相性が合う人間に持ってもらおうとするんだ」
今回の場合、レイナがそうだったというわけだ。俺が前世で『魔銃ギルスター』を入手した時、俺は一人だったから相性など関係なかったのだが。
「とりあえず、それはレイナが待ってなよ。みんなも異論は無いよな?」
二人とも了承してくれたので、『魔銃ギルスター』はレイナが持つこととなった。
あとは適当に使えそうなものを見繕って、収納魔法に入れておく。今後、使う機会があるかもしれないしな。
こうして初めての迷宮探索は幕を閉じた。
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