第38話 自動魔法反射
俺は一向にその場を動かない。
トワイライト・フェンリルは警戒しながらも攻撃を繰り出す。が、やはりその攻撃は俺には届かず、自分にダメージが入るのだった。
俺はトワイライト・フェンリルが現れた時、一つの魔法を作って、展開した。
それは『自動魔法反射』という魔法だ。この魔法は自分の周りに展開することで、そこに触れた魔法をすべて跳ね返すというものだ。
また、魔力を帯びた物理攻撃も跳ね返すことができる。トワイライト・フェンリルの爪の攻撃は魔力を帯びているので、跳ね返すことができたのだ。
だが、この魔法は物理攻撃のみ跳ね返すことができない。
すべてを跳ね返す仕様にしても良かったのだが、トワイライト・フェンリルはただの物理攻撃はしてこないので、今回は魔力節約のために抜いておいた。
トワイライト・フェンリルは尚も攻撃を続けるが、俺には当たらない。さすがに体力が無くなってきているようだ。
ここまできたら、あとは神器で攻撃すれば倒せる。
俺はクロス・イグニスに魔力を込めて、とどめの準備をする。それに気づいたのか、奴も魔力を溜めているようだ。おそらく次で勝負が決まる。
そして俺は魔力を込めた斬撃を放つ。それに対し、トワイライト・フェンリルは電撃の咆哮を撃ってくる。
二つの攻撃がぶつかり、俺の放った斬撃が咆哮を斬り、一直線にトワイライト・フェンリルへ向かう。
そして、そのまま直撃した。トワイライト・フェンリルは動かなくなる。
討伐完了だな。
「勝ったの?」
3人が俺に近寄ってくる。
「ああ、討伐完了だ」
「やったー!!さすがリースくんだね!」」
「やっぱりすごいわね。また知らない魔法を使ってたし」
「...悔しいけどすごかった。私ももっと頑張らなきゃ」
「ミルなら絶対強くなれるさ」
そんな会話をしていると、奥の扉が開いた。
ようやく、神器『魔銃ギルスター』のお出ましだな。