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第37話 最強の階層主



 俺たちはこの迷宮の最下層まで一気に落ちた。


 地面につく寸前で風魔法を発動し、落下の勢いを軽減した。


「ふーっ、一瞬だったな」


 俺の言葉に返答がないので、後ろを振り返ると3人ともなぜか汗をかいていた。


「どうした?なんかあったか?」


「直通の通路って言うから、着地はもっと安全かと思ったじゃん!危うく地面と衝突するかと思ったよ!」


「そうよ!びっくりしたじゃない!」


「……怖かった」


 いや、落下するより魔物と戦うことの方が怖いと思うがな。まあ、それは人それぞれか。


「すまんすまん。これからは気をつけるよ」


「もう、気をつけてね!」


 俺たちは先へと進んだ。



「……見えた。あれが階層主の部屋だ」


 俺たちは最後の部屋に来ていた。ここを突破すれば神器のある部屋に入ることができる。


「みんな、さっき言った通り今回は防御魔法を張ってじっと見ててくれ。俺が倒す」


「うん、分かったよ」


「任せたわよ」


「……絶対勝ってね」


「ああ、任しとけ」


 俺たちは部屋に入った。


 扉が勝手に閉まる。みんなには外で待っててもらっても良かったのだが、最後の部屋だけは、階層主に勝った時に部屋にいた人しか次の部屋に進めない。だから、入ってもらう必要があった。


 そうこうしていると、最後の階層主が現れた。


 そいつは前世ではトワイライト・フェンリルと呼ばれていた。光を纏った狼のような魔物だ。


 俺はこいつと前世で戦ったことがあるが、こいつの強いところは、なんといってもその速さだ。

 全速力で走ると、光の速さと同じぐらいになると言われていた。まあ、前世では瞬殺したがな。


 こいつは今の俺にとってなかなかの強敵となるだろうが、しっかり対策はしているので手こずることはないだろう。


 奴はしっかりと俺の方を見ている。まるで、今からお前に襲いかかるから、何か仕掛けてこいと言っているみたいだ。


 俺はその間に、ある魔法を展開しておく。これで俺の勝利は確定した。


 数秒が経ったとき、しびれを切らしたのかトワイライト・フェンリルは俺めがけて、爪で攻撃を繰り出してきた。

 それは俺に当たるーーと思われたが、その攻撃は見事に俺の手前で弾かれ、あろうことか奴にダメージが入っていた。


 奴は困惑しているみたいだ。まあ、そうだろうな。

なんせ俺に向けた攻撃が自分に跳ね返ってきたんだからな。


 俺は顔に笑みを浮かべた。


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