第34話 意外な事実
俺はみんなよりも早く起きて、朝食の準備をする。
朝食のメニューはパン、スープ、目玉焼きにトマトを添えたポピュラーなものにした。
俺が用意を終えると、丁度ステラが起きてきた。
「おはよ〜。早いね、って朝ごはんが出来てる!?」
「ああ、もう作っておいた。いつでも食べていいぞ」
「ありがと!じゃあ早速いただくね」
そんな会話をしているとレイナも起きてきた。
「おはよ、リース、ステラ。あら、作ってくれたの?」
「うん、リースくんがね。とっても美味しいよ!」
「へー、どれどれ。……美味しいわ!どうしたらこんなに美味しく……」
昨日同様、喜んでくれてるみたいで良かった。
そういや、ミルが起きてこないな。……起こしに行くか。
俺はミルの寝室に行った。
「おーい、ミル?朝だぞ、起きろー」
扉の前で呼びかけてちょっと待つが、起きてこない。
「おーい!ミルー!」
強めに呼んでみるが、起きてくる気配はない。仕方ないので、部屋に入ることにした。
「入るぞーー」
部屋に入ると、ミルはベッドの上で寝ていた。改めてミルの顔を見ると、綺麗な顔をしているなと思った。
俺が部屋に入ってもミルは起きないので、仕方なくそばで呼びかけることにした。
「おーい、ミル?早く起きろよー」
耳元で囁いてみたが、やはりまだ起きない。今度は少し声を大きくして、肩を叩いた。
「ミル、起きないと先行くぞ」
ようやくミルが目を覚ましたが、まだ寝ぼけてるみたいだった。
「……リース?おはよー」
目をこすりながらミルは話す。意外とミルは朝に弱いんだな。でも、昨日とかはしっかり校庭に集まってたよな。どうしてたんだろう。
とりあえず俺はミルをリビングまで連れていき、椅子に座らせた。
「ミルー、おはよ!」
「おはよう、ミル」
「うん、おはよー」
「まだ眠そうだな。いつもはどうしてるんだ?」
「いつもは起きたい時間に目覚ましをセットしてる。でも、今日は無かったから起きれなかった」
目覚ましか。まあたしかに時間通りに起きるためにはもってこいの品だが、あの睡眠の深さで目覚ましだけで起きれるのか?
「なあ、本当に目覚ましだけで起きてるのか?相当睡眠が深いみたいだけど」
「……目覚ましだけだよ?使ってるのは」
"使ってるのは"?ということはもしかして、
「もしかしてセットする目覚ましって一つだけじゃないのか?」
「……?もちろん、5個使ってるよ」
やっぱりそうだったか。
「5個!?」
「そんなに使ってるの?」
「普通じゃないの?家ではみんなそうだったけど」
こいつの家系は遺伝子レベルで朝が弱いのか。ふつうそんなに使ったらうるさいだろ。
ミルの意外な事実を知った俺は目覚ましを用意してあげた。目覚ましの仕組みは簡単なので、魔法で作ったのだ。
これで明日の朝は大丈夫だろう。
俺たちは朝食を食べて、準備をし、出発した。




