第31話 迷宮攻略法
俺たちはやっと迷宮探索を始めた。
まあ、探索といっても一階層は余裕で突破していく。
ステラ、レイナ、ミルの三人の実力も上がっているようなので、20階層ぐらいまでならこの三人のみでも攻略は出来るだろう。
「この感じだったら余裕だな」
「うん、そうだね。でも、階層主には気をつけないと」
「いや、その必要はないだろう」
迷宮には階層主という魔物がいる。階層主は次の階層に続く階段の前の部屋におり、次の階層へ行こうとする冒険者の前に立ちはだかる。
魔物というのは迷宮自身の魔力で無限に復活するが、階層主は倒したら、二度と復活しない。前世の俺がこの迷宮の階層主を全部倒したので、階層主に会うこともないというわけだ。
「あ〜、階層主は倒されたら二度と復活しないのよね。たしかに上の階層は大丈夫かもしれないけど、下の階層は気をつけないとダメでしょ?」
「なんでだ?この迷宮はもう攻略済みだから、階層主は出ないだろ?」
「え?リース、何言ってるの?七大迷宮はまだどれも攻略されてないよ。」
「は?」
そんなわけないだろ?七大迷宮はどれも俺が攻略した。
攻略されてないわけがない。
いや、待てよ。この世界ではことごとく俺の常識が通じなかった。もしかしたらあり得るかもしれない。
「ひとまず進もう」
俺たちはとりあえず進むことにした。
一階層から十階層までは特に何事もなく進んだ。だが、十一階層目の最後の部屋。そいつは出てきた。
「ガァァァァァ!!!」
「こ、これって階層主!?」
「ほら、やっぱり出たじゃない!」
「倒すよ!」
これはワイルドグリズリーという魔物だ。階層主は大体、次の階層にいる魔物ぐらいの強さだ。まあ、まだ余裕に倒せるだろう。
「焦らなくていい!普通の魔物と同じように戦うんだ!」
「「「はい!」」」
俺たちは連携を取りつつ、ワイルドグリズリーを倒した。
「よし、上出来だな」
俺たちはこの後も階層を攻略していった。
そして迎えた二十階層目。