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第3話 武術の変化



 朝、俺は武術を教わるため、庭へ向かった。


 庭にはもう父さんと兄さんたちがいた。


「お、早いな。リース」


「うん!楽しみで早く起きちゃった」


「いい心がけだ!じゃあ早速始めるか」


 そう言うと全員なぜか槍を持っていた。


「あれ、剣じゃないの?」


「何を言ってるんだ?うちは代々槍術の名門だろ」


 なるほど、そっちに関しても認識を変えた方がいいみたいだな。


「ほら、リースも槍を持って」


ゲイル兄さんが槍を渡してくれた。


「今日はリースも加わったことだし、一度模擬戦をやろうか」


 なんと初日から模擬戦か。5歳児にやらせることか?


「ゲイル、リースと戦ってくれるか」


「うん、分かったよ。リースやろうか」


 そうして俺はゲイル兄さんと模擬戦をすることになった。

 たとえ模擬戦と言えど勝負事には手は抜かないのが俺のモットーだ。


「それでは行くぞ、よーい 始めっ!!」


 開始直後、俺は体勢を低くしつつ『身体能力強化』の魔法を使い、一気に距離を詰める。槍は身長に合わせてあるので、ゲイル兄さんの方が届く範囲が広い。


 だから、一気に間合いの中まで入ることでゲイル兄さんは俺に刃の部分を当てられず、逆に俺は刃を当てられるということだ。


「なっ!」


「速いっ!」


 ゲイル兄さんは俺に手加減してくれるつもりだったんだろうが、それが仇となり体勢が崩れる。


 俺はその隙に『豪腕』という魔法で軽々と槍を振り回し、ゲイル兄さんの槍を弾く。これでもう反撃は出来ないはずだ。


 俺は冷静に槍をゲイル兄さんの首元に突きつける。


「ま、参った...」


「驚いたな、まさか勝つとは...」


「ふぅー」


 まずいな、武器を使っての勝負で『身体能力強化』を使わないとは。武術もここまで衰退してたとは。ただ、前世では剣が主流だったが、槍も普及していたんだな。


「リース、一体何をしたんだ?」


父さんが尋ねる。


「えっ、ふつうに『身体能力強化』を使って自分の間合いまで距離を詰めただけだよ」


「軽々と槍を振り回したのもか?」


「それは『豪腕』って魔法を使ったんだ」


「お前がそこまで魔法が使えたとは...」


「僕も一つ聞いていい?」


「ん、ああいいぞ」


「今は武器は槍を使うのが主流なの?」


「"今は"ってまるで昔を知ってるような言い方だな」


 やべっ!つい、うっかり。


「まあいいか。そんなことはないぞ。剣を使うところもあれば、斧や弓を使うところもあるな」


 なるほど、武器の扱いについてはダメダメだが、色々な武器を使うようになったらしいな。ちなみに俺は前世の暇な時間に全ての武器を極めた。メジャーな武器は達人の域まで達している。


「なるほど、ありがとう」


「あぁ、いいぞ。というか、俺はリースに何か教えることはあるのだろうか...」


「じゃあ父さんもリースと戦ってみればいいじゃない」


「そうだな、ゲイル。よし!リース戦うぞ」


 こうして俺は父さんと戦うことになった。


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