第27話 創生魔法フル活用
俺は襲撃者の尋問を行うことになった。
尋問といっても普通の尋問はもう行った後なんだろう。
それでもこいつは情報を言わなかった。ということは正攻法でいってもダメだということだ。
だから、少し違う方向から攻めてみる。
俺は創生魔法で読心魔法という魔法を作った。これは相手の考えていることを読む魔法だ。
とても強力な魔法だが、何かを知りたい時には相手にその事を考えさせなければいけない。ここでもう一つ魔法を作る。
「ねえ、シェイルさんって強いの?」
この人はシェイルという名前らしい。
シェイルは俺の問いかけに答えない。
「ねえ、何で答えてくれないの?」
まだ反応はない。が、確実に心は揺らいでいる。
それも無理はない。新しく来た尋問官は若くて、全く関係のない事を話してくるのだ。少し身構えているのが読める。
「大丈夫ですよ、そんな身構えなくても。何も考えなければいいんです。こっちの知りたいと思うこと、知られてはまずいこと、そういった事を考えなければいいんですよ」
そう言った後、少しの沈黙が訪れる。
そして……
「ありがとうございました」
俺は尋問を完了し、この場を後にした。
◇
俺は王室へと戻った。
「リース、こんなに早いとは。やはりそなたでも無理だったか……」
「いえ、もう終わりましたよ」
「「え?」」
この2人、よくハモるな。
「一体どうやって聞き出したんだ?」
理事長が尋ねてきた。
「まず、読心魔法という魔法でシェイルが考えていることを読みました。ただ、それだけではダメなので言霊魔法という魔法を使いました」
「読心魔法に言霊魔法か……。聞いたこともないな」
「まあ僕が作ったので」
「作ったのか!?」
「ええ、それで言霊魔法というのは、色々効果があるのですが、今回は僕の言葉を強調させるという効果を使いました」
「言葉を強調?」
「はい、深く印象付けるということです。僕はこっちの知りたい情報を〈考えるな〉と強調しました。人は、するなと言われたらしたくなるものです。考えるなと言われたら考えてしまう心理を利用して情報を読み取りました」
「末恐ろしいな……」
「ええ、リースだけは敵にしたくないですね」
別に普通のことなんだけどな。たしか「カリギュラ効果」といったかな?
「えー、それで何が分かったんだ?」
「やはり彼らは組織の一員であるということ。そして、その組織の名前は「サトゥルヌス」と言うらしいです」
「なにっ!?」
「「サトゥルヌス」だと?」
なんだ?この驚きは?




