第22話 突然の襲撃
翌日、俺が寮から校庭に向かうと、すでに3人は待っていた。
「早いな、そんなに楽しみだったのか?」
「そりゃね、今の年齢で迷宮に行くことなんて普通は出来ないから」
そうだった。この世界は魔法が異常に衰退してたんだったな。最近は学校の生徒たちの実力も上がってきたし、そこらの冒険者よりかは強くなったと思う。
「私たちの経験にもなるしね」
「それに神器も見てみたい」
今回の目標は最下層まで行って、神器『魔銃ギルスター』を入手することだ。前世の俺が行けたんだ。今の俺だって行けるだろう。
そんな会話をしていたら、
「リース!大変だぁぁーー!!」
理事長が血相を変えて、俺のところに走ってきた。
「どうしたんですか?」
「今報告が入ったんだが、城が何者かによって襲撃されてるらしいんだ。応援を頼みたいと連絡が来た」
「なるほど、それは一大事ですね」
城が落とされて国王が殺されたとなれば、国の存続に関わる。そんなことになれば俺の発展計画が無駄になってしまう。絶対にそれは避けたい。
「みんな、迷宮探索は中止だ。俺は城へ向かう。みんなは待っててくれ」
「何で!?私たちも行くよ!」
「ダメだ!人間は魔物よりも質が悪い。何が起こるか分かんないんだ。連れていけない」
「仕方ないわね」
「楽しみだったのに……」
「また今度行こうな」
「絶対に帰ってきてね」
ステラが心配そうに言ってきた。
「ああ、絶対に帰る」
そう言って俺は転移魔法を発動した。
◇
城に着くと、門の前には警備兵らしき人たちが倒れていた。その中に敵であろう者も混ざっていた。
「理事長、敵の人数は?」
「20人ほどだそうだ。なかなかの使い手らしい」
20人か……。全然足りないな。一瞬で終わらせよう。
俺は『身体能力強化』を使い、全力で加速した。
悪いが、緊急事態なので理事長は置いていく。
俺は走りながら探知魔法で襲撃者がいるであろう方へと向かう。
奴らはどうやら足止めをされているらしい。
(見つけたっ!!)
そして俺は襲撃者を魔力を込めた神器で斬る。