第21話 理事長への報告
無事に神器をゲットした俺たちは学校へ戻ってきた。
転移魔法は一度来たことがある場所なら、寸分違わず移動することができる。これが転移魔法のいいところだ。
俺はひとまず理事長へ報告に行くことにした。
◇
理事長室に入ると、理事長は資料に目を通していた。
そして、こっちに目を向けると、
「な、リース!?もう戻ってきたのか!」
「え、ええ。転移魔法を使えば一瞬なので」
「そうとはいえ、何か色々あるんじゃないか、ってリースだから関係ないか」
俺の扱いが雑になってきてる気がするんだが。
「それで何の用なんだ?」
「ああ、一度報告に。それとお願いが一つ」
「順番に頼む」
「まず、無事予定していた通り神器を入手しました。これがそうです」
そう言って俺は腰の剣を見せる。
「それが神器か。初めて見るが、なんか凄いな!」
まあ普通の武器との違いがあまり分からないんだろうな。
「えー、次にお願いについてです。内容はいつでも好きなときに迷宮や遺跡に行くことが出来る権利が欲しいです」
「なんだ、そんなことか。いつでも好きなときに行っていいぞ」
あれ、案外あっさり通ったな。なら、さっそく行くかな。
「ありがとうございます。では、さっそく明日行こうと思います」
「おお、そうか。気をつけてな。まあ大丈夫だろうが」
こうして俺は理事長室を後にした。
理事長室を出ると、そこにはステラ、レイナ、ミルの三人がいた。
「ねえ、少し聞こえたんだけど明日から迷宮に行くの?」
ステラがそう聞いてきた。
「ああ。もう一つ心当たりがあるからな」
俺が前世で持っていたもう一つの神器。
『魔銃ギルスター』。魔力を弾とする銃だ。
「私たちも行っていいかしら?」
「別にいいけど」
「やった!」
ミルが子供のように喜んでいる。
今回は迷宮なので、誰が行ってもいい。かといって、大人数で行く気もないのだが。
迷宮の中にも難易度があるが、明日行こうと思ってるのは中の上ぐらいだ。昔は歴戦の冒険者が5人くらい集まったら攻略できる難易度と言われてたが、今だったらおそらく攻略できる者はいないだろう。
でも、今の学校の生徒だったら50人くらいいれば攻略できると思う。特にその中でもずば抜けてるこの3人なら自分の身くらいは守れるだろう。
万が一があろうと俺がいるしな。大丈夫だろう。
「よし、なら明日の朝、校庭に集合な」
俺はそう告げて、寮へ戻った。




