第20話 双剣クロス・イグニス
部屋を見渡すと、財宝や魔道具があったが、真ん中に一際目立つ台座があった。
その台座には二本の剣が刺さっていた。
「リースくん、あれが神器?」
「そうだ。『双剣クロス・イグニス』」
二本の剣の一本は白い刀身に青い紋様が、もう一本は黒い
刀身に赤い紋様が刻まれていた。
「私も色々見ていい?」
「ああ、いいぞ。何か欲しいものがあれば、自由に持っていっても構わない」
「やったー!!さっそく探してこよっと!」
ステラは笑顔で周りを見に行った。別に確認なんか取らなくてもいいんだけどな。
俺はクロス・イグニスを取り、腰の両側に一つずつ鞘を取り付けた。
帰ったら試し斬りをしてみよう。
そんなことを考えてたら、
「リースくん!見てみてー!」
ステラが腕輪を持ってきた。
「これ、どうかな?」
「いいんじゃないか?ステラに良く似合ってるよ」
「えへへ、ありがとう」
ステラは顔を赤くしながら、お礼を言ってきた。
その後は二人で、上で待っているレイナとミルにお土産を選んだ。レイナには指輪を、ミルにはネックレスを贈ることにした。これで機嫌が少しでも直るといいのだが。
こうして俺たちは遺跡の中を後にした。
◇
地上に出ると、二人は楽しそうに会話していた。
「おーい、戻ったぞ」
「あ、お帰りなさい。リース、ステラ」
「お帰り。どうだった?」
「ああ、無事持って帰ってきたぞ」
そう言って俺は腰につけた剣を見せる。
「それが神器か〜。初めて見るけど、イマイチ違いが分からないわね」
「私のと、そう大差ないように感じるな」
「まあ、仕方ないさ。魔力を注がないと本来の力は出ないし。あ、そうだ。ステラ、二人にお土産をあげないとな」
「うん!はい、二人ともどうぞ!」
ステラがお土産を渡した。
「わ〜!ありがと!いい指輪ね。大事にするわ」
「ネックレスか。悪くないな」
二人とも喜んでくれてるようなので良かった。
やはり喜んでくれると渡した方も嬉しいな。渡した甲斐があるというものだ。
「よし、じゃあ帰るか」
こうして俺たちは学校へ帰った。




