第19話 遺跡の試練
俺とステラは遺跡に入り、どんどん進んでいく。
遺跡には試練があると言っても、道中は特に何もない。
あったとしても、探索魔法に引っかかるので罠なんて無いも同然なのだ。
「意外と何もないね」
「ああ、この遺跡は広い部屋にしか試練はないからな。こういう通路は安心してていいぞ」
「まるで前に来たことがあるような言い方だね」
やべっ。ついうっかり。
「まあ、リースくんだからありえるか」
どうやら見逃してくれたようだ。あまり転生したってバレたくないからな。まあ信頼してるから、話してもいいんだけど。今はそれどころじゃないからな。
そうして奥に歩いていくと、部屋が見えた。
「お、あれかな?」
「そうだ。始まるぞ、最初の試練が」
俺たちは部屋に入った。
すると、声が聞こえてきた。
『汝ら、宝を欲するものか?』
「ああ、そうだ」
『なら、我の問いかけに答えよ。朝は四足歩行、昼は二足歩行、夜は三足歩行の生物は何だ?』
「え、どういうこと?」
ふむ、なるほど。前回とは内容が違うな。だが、まあ分かったから問題ない。
「分かったぞ」
「え、リースくん。もう分かったの?」
「ああ、割と易しめな問題だな」
「私は全然分かんないや」
「おい、分かったぞ」
「……答えを述べよ」
「正解は人間だ」
「……正解だ。通れ」
前方の壁が開き、新たな部屋が現れた。
「何で人間なの?教えて!」
「おれは人生を1日で例えたんだ。朝は生まれてすぐのこと。ハイハイだな。昼は青年期だ。夜は老人だな。杖をついたら、三足歩行だろ?」
「そういうことか!よく分かったね!」
「こういうのは何問も解くことが大事だからな。経験だよ。ちなみにここの試練は全部こんなのだからな」
「うぅ、私苦手だな〜。でも、これからもこういうのばっかかもしれないしね。私も対応できるようにしておくよ!」
張り切ってるステラには悪いが、正直あまり使わないんだよな。俺も暇だったから色々解いただけで、暇じゃなかったら、やらなかったと思う。まあ、でも経験は大事なので何も言わないでおこう。
その後も俺たちはどんどん進み、謎もどんどん解いていった。
そして、最後の部屋の謎もすんなりと解いた。
「見事だ、選ばれし者よ。神器をその手に取るが良い」
俺たちは神器が置かれている部屋に入った。