第18話 最古の遺跡
次の日、俺たちは校庭に集まった。
「みんな、準備は整ったか?」
「うん、大丈夫だよ〜」
「いつでもいいわよ」
「早く行こう」
全員良さそうなので、俺は転移魔法を発動する。
足元に魔法陣が現れ、そこから光が放たれる。
光が目の前に広がり、何も見えなくなる。光が消えたら俺たちは森の中にいた。
「すごい……。本当に移動したんだ……」
ステラがそう呟く。まあ始めての経験だから仕方がないか。慣れたら何とも思わなくなるだろう。
俺は探知魔法で周囲を調べる。すると、1km後方に遺跡を見つけた。
「向こうに見つけた。少し歩くぞ」
そう言って、遺跡の方向へと進んでいく。
しばらくすると、普通の一軒家ぐらいの大きさの石でできた建造物が見えた。
「お、見えたぞ」
そう言って振り返ると、ステラとレイナはとても息を切らしていた。
「ちょっ、リースくん。速すぎるよ……」
「も、もう少し後ろのことも気にしてほしいわ……」
それに対してミルは平然としていた。
「このくらいでバテるとは。まだまだ修行が足りないな」
俺は常に身体能力強化をかけてるし、ミルは神器の力で身体能力が向上してるからな。今度『身体能力強化』の魔法を教えるか。
「もう着いたから、少し休むか」
俺たちはここで小休止を取り、その後遺跡の前へ行った。
「これが遺跡か〜」
「初めて見るわね」
「何かあまりそういう感じはしないな」
(ああ、そうか)
「それは仕方ないさ。もうこの時点で神器の選別は始まってる」
三人はあまり意味が分かってないようだった。
「三人の中でこの遺跡に何か違和感を感じる人はいるか?」
「えーと、魔力を感じるんだけど……」
唯一ステラだけが手を挙げた。他の二人は何のことか分からないらしい。
「じゃあステラだけ俺と一緒に行くか」
「え、何でよ!?」
「私も行きたい」
レイナとミルがそう訴える。だが、無理なものは無理だ。
「言っただろ?選別は始まってるって。遺跡には魔力を感じる人しか入れない。だから、俺とステラしか無理だ」
二人はとてもがっかりしている。これに関しては俺は何もできない。大人しく待っててもらおう。
「じゃあステラ、行くぞ」
「う、うん」
ステラは二人のことを気にしつつ、ついてくる。
いよいよ始まるな。この遺跡の試練が。
女子三人の会話の区別がつきにくいかもしれません。ごめんなさい!話す順番は基本的にステラ、レイナ、ミルの順番です。