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第16話 編入生と人工神器【三】



 ミルはまさかの神器の持ち主だった。


 神器持ちは相当強い。だから俺は少々本気を出すことにした。


「エンチャント、インフェルノ」


 剣に真っ赤な炎が宿る。


「へえ、そんなことが出来るんだ。なら、こっちも全力だよ!」


 彼女の剣が光る。


輝く斬撃(シャインスラスト)!」


 俺はその一撃を受け流し、『炎弾』を撃つ。


「はぁぁぁ!」


 彼女はそれを斬り、さらに攻撃を仕掛ける。


浄化の光(パージフラッシュ)!」


 俺は後ろに下がるが、彼女はどんどん攻めてくる。


(これじゃ無理か……)


 俺は魔法を放つ。


 すると、ミルの足元から巨大な竜巻が巻き起こる。


「きゃあ!」


 彼女は竜巻に飲まれるが、すぐに魔法を斬り裂く。


 だが、その間に俺の準備は整った。


「さすがだね、リース。でも、負ける気は無いよ」


「ああ、俺も同じだ」


 そして俺はある魔法を発動する。


「な、何だそれは!?」


 彼女が驚くのも無理はない。なんせ俺の剣が先ほどまでの赤い炎ではなく、真っ黒な炎を纏っているのだからな。


 さらに剣の魔力や性能も段違いに上がっている。それは最早神器に引けを取らないくらいに。


「早く勝負をつけないとやばそうだね」


 彼女はそう言い、おそらく今までで最強の攻撃を放ってきた。


神聖剣(セイクリッド)!」


 俺はその攻撃を真正面から叩き斬る。


「そんなっ……」


「俺の勝ちだ」


 そして俺は彼女の後頭部を殴り、気絶させる。


 こうして俺とミルの戦いは俺の勝ちで幕を閉じた。



 俺は目覚めたミルと話をする。


「ミル、お前神器持ってたんだな」


「うん、でもこれは本物の神器じゃ無いの。人工的に作られた神器なんだ」


「な、そうなのか!?神器って人工的に作れるのか?」


「うん、今はそういう研究をしてるみたい。私はその研究に協力してるんだ」


「だから、俺に戦いを挑んだのか」


「そう、データが欲しいらしい。でも、私も詳しくは知らないの」


「そうなのか」


人工的に神器を作ろうとする奴らがいるのか。そいつらのことも調べといた方が良さそうだな。


「ねえ、リース。最後のは何をしたの?」


「ああ、あれは擬似的な神器を作ったんだ。魔法で色々剣に付与してな」


 俺があの時剣に付与したのは『煉獄(クリムゾン)』と『神化』という魔法だ。


 両方とも剣の威力を上げるための魔法で、今回作った魔法だ。神器に勝つには神器と同等の性能を持つものを作れば良い。そういう発想だ。


「そんなことが出来るんだ。強いね、リース」


「だけど、一つ弊害があってな。強い力が得られる代わりに剣がぶっ壊れる」


 そう言って、刀身のない剣を見せる。


「なるほど、なら新しい剣が必要だね」


「ああ、それには心当たりがある」


 そろそろ俺も取りに行くか。神器を。



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