第14話 編入生と人工神器【一】
親善試合が終わり、生徒たちの無詠唱魔法の強化も順調に進んでいたある日のこと。
「おはよう!今日はみんなに良いお知らせがあるぞ!」
この人の良いお知らせは本当に"良い"のか分かんないんだよなぁ。
「このクラスに編入生が来たぞ!!」
「「「おぉぉぉぉぉ!!!」」」
編入生でそんな盛り上がるのか?
「それは男子ですか!女子ですか!」
「なんと〜〜〜、女子だーー!!!」
「「「うぉぉぉぉぉぉ!!」」」
男子の声が教室中に響き渡る。唯一俺だけ無反応のようだ。
「それじゃあ早速入ってもらおう。おーい、入ってきてくれー。」
ガラガラッッ。
入ってきたのは、腰に真っ白な剣を携えた銀髪の超絶美少女だった。
みんな想像以上だったようで、驚きの表情を見せていた。
「よし、じゃあみんなに自己紹介してくれ。」
「ミル=オーネットです。よろしくお願いします。」
「えーと、ミルの席は...リースの隣だな。ミル、一番後ろの右から三番目の席に座ってくれ。」
ミルが俺の隣に座る。
「よろしくね、リースくん。」
「あ、あぁよろしく。」
「じゃあ早速授業を始めるぞー!」
◇
ミルはすぐにクラスの人気者となった。女子たちとはすぐに打ち解け、男子からは熱い視線を受けていた。
そして授業が終わった放課後のこと。
「ねえ、リース。この学校で一番強い人って誰?」
ミルがそう問いかけてきた。
「うーん、そうだなー。」
まあ、おそらく俺なんだろうけど、自分で言うわけにもいかず。なんて思ってたら、
「もちろんリースくんだよ!ね!」
ステラがそう言ってきた。どうやら話を聞いていたらしい。
「そうだよ!リースくんだよ!」
「自分で言うのが恥ずかしいんでしょ〜。」
ステラの言葉を筆頭にクラス中の女子がそう言ってくる。
「そっか、リースなんだ。じゃあリース、私と戦おう。」
「えっ?」
なぜかミルと戦うことになった。