第113話 滅剣リオン
投稿が遅れてます!すみません!
俺はグレイスに魔力を込める。グレイスから闇が溢れ出し、俺の周りを包んでいく。
「闇……か。なら、こちらもだ」
真斗がリオンをぐっと握ると、リオンから眩しいくらいの光が溢れ出す。その魔力はおそらくグレイスよりも多い。やはりこのままでは勝てない。
「エンチャント、セイクリッド」
俺はロスト・イグニスに光の魔力を付与する。通常、相反する魔力は反発し合うので、同時に攻撃に使うことはできない。だが、うまく魔力を調整すれば逆に強力な攻撃になる。
「光と闇の連撃!!」
「滅技 閃光の連撃!!」
俺は白く光る剣と闇が溢れる剣を交互に振るう。対して真斗は妖しく光る剣で何度も斬りつけてくる。
「く……、はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「死ねぇぇぇぇ!!!!」
互いの力は完璧に互角。だが、手数なら俺の方が上だ!
「絶剣 焔」
グレイスから溢れ出る闇が赤みを帯びていく。これは炎の属性が加わった絶剣だ。当然、繰り出す斬撃も炎になる。
「いっけぇぇぇぇぇ!!!!」
「滅技 光方の挟撃!」
俺が放った斬撃を囲うように光が四方から襲う。このままではさっきと同じ展開だ。だが手はある。
「巻き起こる暴風」
今度はロスト・イグニスに風が纏う。俺がロスト・イグニスを振るうと、竜巻のように渦を巻いた風が炎の斬撃の元へと飛んでいく。
俺が放った風は同じく俺が放った炎の斬撃との相乗効果で互いに威力を増す。光なんて蹴散らすくらいに。
「何ッ!?」
ついに光の四方からの攻撃を防いだ炎と風はそのままの勢いで真斗を襲う。だが、異常なほどに真斗は落ち着いていた。
「たしかに俺には神器による攻撃は斬れない。だけど、神器以外なら斬れる」
「……?今更何を……」
俺はそのことくらい知っている。だが、真斗は何故わざわざそんなことを?
「つまり、こういうことだ」
真斗は自分の目の前をリオンで斬った。その時、俺は真斗の言葉の意味を理解した。要するに、真斗は次元を斬ることで俺の攻撃を別の次元へと逃がそうとしたのだ。さっき、真斗が別の次元に行ったように。
でも、それなら自分が別の次元へいくことで逃れたらいいのではないか?何故攻撃自体を逃す?
その謎は意外にも早く解けた。
真斗は俺の攻撃を逃した後、すぐに自分も別の次元に消えた。俺は周りを警戒する。さっきと同じでは二度と食らわない。
すると、どこからともなく斬撃が飛んできた。俺は後ろに跳んで躱す。が、俺の後ろには既に次元の穴が開いていた。後ろに跳ぶことで俺はその中へと入ってしまった。
「うわぁぁぁぁ!!」




