第1話 記憶が戻った
「やってしまった...」
俺はリース=グレイアス。サウラ村を中心とする領地の領主の四男で、今日は5歳の誕生日だ。
いつも通り魔法の練習をしていたら、なんと魔法が暴発。俺の足元で小規模の爆発が起こった。ギリギリ魔法で身体強化を行ったので、そこまでダメージはないが爆発の衝撃で前世の記憶を思い出した。
前世の俺は世界最強の魔術師として、その名を轟かせていた。ある日、自分の限界を感じた俺は生まれ変わって、一から修行し直すことにした。
だが、ただやり直すだけではあれなので一つ来世に魔法を持ってくことにした。それが創生魔法という魔法だ。
この魔法は本来作るのに何十年もかかると言われる、新しい魔法をイメージするだけで作れるという優れものだ。
俺はこれを来世に持ってくことで新しい魔法をどんどん作ろうと思ったのだ。
しかし俺はこれを思いついたとき、つい自分の中で盛り上がってしまった。それが良くなかった。
創生魔法を持ち越す準備は完璧に済ますことが出来たのだが、記憶を持ち越す準備を忘れていた。だから生まれ変わった時、完全にこのことを覚えていなかったのだ。そのせいで俺は5年も無駄に過ごしてしまった。
だが、過ぎてしまったことは仕方がない。これから修行を始めることにしよう。今回は時間を少しも無駄にしない。
とことん強くなってやる。
ひとまず家に帰り、今は何年なのか、魔法はどう変わったのか、いろいろ知りたいことがある。それを調べることにしよう。
◇
驚いた。今は前世から2000年も経っていたのだ。これはすごい発展が望めるかもしれない。そう思ってたのも束の間、なぜか魔法は著しく衰退していたのだ。
前世では無詠唱が普通だったのに詠唱魔法が普及していたり、魔道具は簡易的なものしかないのだ。
「嘘だろ、、、」
俺の当分の目標は決まった。もう一度魔法を発展させ、さらに前世よりも優れたものにする。そのために、まず自分が強くならなくては。
俺はそう決心するのだった。
新連載です!
とても面白いものが出来たので、次回からも読んでほしいです!
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