はじめに
――――ファンタジー小説。
昨今、日本において急激に流行り始めたこの言葉。
ファンタジーと言うものの源流をたどると、多くは『指輪物語』や『ホビットの冒険』で知られるJ・R・R・トールキンへと導かれるでしょう。
このトールキンは15の人工言語の開発をし、詳細な歴史や宇宙を創ることで物語へと説得力と現実感を創造するにあたったが、残念ながら今を生き、小説を創りたいがために本稿を読んでいる人(ただの興味本位の人もいるだろう)は、そこまでの設定を作ろうとは思っていないが、少なくとも自分が満足するレベルの物語を作りたいと考えているはずだ。
そこで私は考えた。
この取り留めもなく溢れ出てくる妄想という名のファンタジーを、小説を書きたいと思っている者たちへのインスピレーションの糧になれないだろうか、と――
という訳で、ここでは今まで漠然と感じていたファンタジーへの疑問を、私個人による勝手な解釈で展開して考察していくものです。
最初の副題『はじめに』から察せられるかもしれませんが、このページの文章を読んでいない人もおられるかと思われます。
しかしながら、ここでは大雑把に、どういう感じで考察を展開していくかを述べておきたいと思います。
大まかな流れでは、ファンタジーにおける疑問を解消して貰ったり、読者様が閃けるように情報を伝えていくつもりです。
そこでは最初に【問題提起】、いわゆる“疑問”を投げかけ、それに対して《定義》や《歴史》、《経済》、《衣食住》、《物理》、《心理》、《哲学》、《宗教》などの聞きかじった学問からアプローチし、私個人による≪仮定≫や≪考察≫で問題に対する、一先ずの【回答】としていこうと考えてます。
ファンタジーは多くの方によって創造されているので、無数と言えるほどの世界観が存在しますが、ここではいわゆる中世ヨーロッパ――最近では、「小説家になろう」と「中世ヨーロッパ」を掛け合わせて【ナーロッパ】などと呼称される――から考察していきます。
※個人的にはナーロッパという表現は嫌いですが、皮肉にも的を得ているので何度か話題には出していくつもりです。
また、読者の皆様から「こういうのについて考えて欲しい」などの要望があれば承るので気軽に感想欄などにお書きください。