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漆黒のSlave crest   作者: 猿兄
第1章:黒の奴隷紋
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黒の奴隷紋で這い上がる

無明創造(クリエイトインノート)か...どんな能力を創ろうかな...その前に、


「メルフィーさん、さっきの封鍵ってどうなったんですか?なんかパーっと消えちゃった感じがしたんですが...」


「封鍵は今陸さんと同化している状態ですね、多分そろそろ...」


奴隷紋の中心部からスーっと鍵が出てきた

あ、今自分の中で何かが消えた。


鍵は自ら動きメルフィーの手元に戻っていった。


「やはり...この封鍵は元々ファルを反省させる為の物なので、本物の鍵でなければ自由に開け閉め出来ないのだと思います...」


まぁそうだわな、アイツの封鍵が使えた事が奇跡だよ、(チラ)ファルの方を見るとつまらなそうに欠伸をかいている。

黙ってれば可愛いのに、性別不明だけど。


「ただ、この鍵の錆さえ取れれば本物と変わらないくらいの力を出せるかと思います」


錆かぁそう言えば錆って取れるものなの?


「ヤスリか何かで削るんですか?」


確かそうすれば取れる様な事を聞いた事がある。


「いえ...この封鍵は罪の度合いによって錆び付いていくので、ファルが善行を積めば自ずと錆も無くなるでしょう」


あぁ〜そう言えば最初にそんな事口走ってたなコイツ、あ、汚ね、コイツ唾を下に(ペッ)しやがった。コイツに善行なんて出来んのか?


「あの、ちょこちょこ気になったんですけど、チ、ファルって何してこの中に入れられたんです?」


「.........リン......です。」


「はい?」


「この子は私が大切に、それはもう!!たぁ〜〜いせつに取ってあった、杏カフェ限定の抹茶杏プリンを食べちゃったのです!!」


およよ〜とシクシク泣き始めてしまった。


...........................


おっといかんいかん、思考が止まってたわ。

抹茶杏プリン...聞いたことある。


「えっと...それって僕の家の近くにある杏カフェですか?」


「はい...以前下界に降りた時下界の友人と入ったあそこのカフェで食べたあのプリン!!後で楽しもうとお土産に購入したのですが...この子に、この子にぃ〜」


あぁいかん、本格的に泣き出しちまった、てゆうかこの女神様結構俗物だな、ステータスの件といい...下界の友人て。

チラッとファルを見ると、我関せずと言いたいのか、うとうとして話を聞いてない、子供か!


「うぅぅ...その時にこの封鍵を入れていた木箱を何処かに落としてしまい、探そうと思っていたのですが...偶然にも陸さんが拾ってくれたみたいで助かりました、もし他の人が拾っていたらその時はファルの仮主が拾った人になっていてルイスを助けれませんでしたから」


衝撃の展開です。多分その木箱を拾ったのがうちの爺ちゃんで、中身を確認しないまま警察に届けず、自分の蔵にしまっていたと、それでたまたま俺が中を開けて今この状態...

てか思ってたって...結構大事なもんだよね?必死に探そうよ。


「メルフィーさん、その木箱うちの蔵にありました...多分爺ちゃんが拾ってそのままってたんだと思います、なんか身内がすいません」


「後そのプリン僕の母の友達が経営してるのでなんとか出来ますよ?」


抹茶杏プリン、確かにあれは美味い、杏カフェのオリジナルデザートで自家製の為数量限定、TVに何度も紹介され今や予約待ちで最長1年も待たなければならない。


「ほ、本当ですか??是非!お願いします!!」


余程嬉しかったのか、メルフィーは抹茶杏プリンやプリンの素晴らしさを語り始めた、木箱の下りをスルーして.........個人的にも料理はするので苦にはならないのだが...今は割愛した方がいい。ファルがzzzと本格的に寝ている。

話が進まない。


陸の苦笑いに気付いたメルフィーは、これまでの脱線をなかったかの様なリンとした態度で「コホン」と区切り本線に話題を戻した。


「少し取り乱してしまい申し訳ありません、本題に戻ります。重ね重ねお願いを申し上げます。兄さんを探す“ついで”でよろしいのでこの子の善行のサポートもお願い出来ないでしょうか??」


「サポート?ですか?」


「はい、善行の意を教え、導いて下さい、この子が善行を積めば紋章の能力をより強く引き出せますし、この子も天使に戻る事が出来ます。能力を十全に使えれば兄に会えるチャンスも多くなりルイスの為にもなります!勝手過ぎるとは思いますが...どうか、お願いします...」


.......................................


いやいや、まぁ乗りかかった船だ、やるよ?やりますよ。現在進行系で元に戻れない状況?ですよ、でも全部俺任せってどゆこと?元辿ればあそこでいびきかいてるチビ助とそれを管理してた女神のせいだよね?


...流石の流石にイライラしてきた


イライラしたせいなのか、陸は首元を掻きながら苛ついた目線をメルフィーとファルに向け八つ当たりする様に「いいですよ」と応えた。


流石に落ち度が多過ぎるのか、まずいと思ったメルフィーは、懇願するように手を取った。


「陸さんさえよければ陸さんが創った能力を現世でも使用できるようにさせて頂きます。...ただ、神の1柱として制限はしますが」


己れを律するかのようなキリッとした表情をから急にフニャっとした表情になり。


「たたたただ、そそそれでもみゅりならわわわ、私がきゃきゃらだうょひゃってみょいいですにょ?《ただそれでも無理なら私がからだをはってもいいですよ》...」


口内筋が制御できていないのか、後半何を言ってるかわからない。


ん?無明創造(クリエイトインノート)バランで創った能力を俺の世界で使ってもいいの?

...まぁムカついたけど最初にやるって言ったしな...


「はい、まぁいいですよ。僕が何の能力を創っていくかわかりませんし...」


神様が制限するっていうくらいなら、いくら能力作っても、ただの便利機能くらいなのかな?メルフィーさんも結構無茶してくれてるみたいだし...まぁいっか、ネチネチするのもどうかと思う。


メルフィーは何故か少し寂しそうな表情で「ふぅ...」と溜息をついた。


?なんか残念そうに見える、なんでだろ?


メルフィーは落ち着いた表情に変え、決意の目を陸に向ける。


「この封鍵の権限を陸さんに譲渡します」


その発言は今まで我関せず、興味ねぇ〜と悪態してた奴の目を剥き、見た目6歳が年相応でない表情で捲し立てる程であった。


「おおおぉ!!?ちょっ待てコラぁぁぁ!!!この脳みそプリンバケツ野郎がぁ!!!!!何で俺様がこんな下民のタピオカ野郎の下につかなあかんねん?出るとこ出るぞ表面いいとこ取りババァ!!!!??」


禁句(タブー)のオンパレードだな、

メルフィーさんの目から光が消えてるよ?


「陸さん、ちょっと」


?何で俺?やめて?その目のままこっちを見つめないで、本当に怖いよ?


メルフィーは陸の手を取り封鍵を渡し、何かを唱え始めた。


すると封鍵が光り陸の身体に入り込む様に消えた。


「はい、これでこの鍵の所有者は陸さんになりました。仮主でなく正式に主人になったはずです、なので説明も兼ねてファルにお仕置きしましょう」


メルフィーはサラッと権限を陸に渡し、淡々と説明をする。目の光は消えたままだ。


「陸さん(...............)と頭の中で唱えてみてください」


「は、はい」


陸は言われた通りに頭の中でとなえようとすると、青ざめたファルが怒鳴り散らしながら陸に詰め寄ってきた。


「この大豆野郎!!!止めろ!!止めねーとテメーの〇〇〇を糞豚の〇〇〇に〇〇〇〇〇『憤怒』う“ぅぅぅ....無性に腹が立ってくるぜぇぇぇ....だけど何故かこのイライラが発散出来ないぃぃぃ...余計に腹が立ってくるぜぇ...ごめんなざいぃぃ...このイライラをどめでぐだざいぃぃ...」


見てるこっちも辛くなりそうなので憤怒を解除してみた。


怒り疲れたファルはぐったりしてうつ伏せで倒れている、相当きつかったのだろう、ピクリとも動かない。メルフィーさんもスッキリしたのか心なしか目に光りが戻っている。


「ご理解出来たでしょうか?この封鍵には閉じ込めた相手に7つの大罪の罰を与える事が出来ます」


憤怒、強欲、嫉妬、怠惰、色欲、傲慢、暴食だったかな?


「この子がまた悪さなり侮辱する様な事をした時に使って下さい。他の大罪も教えなくてもよさそうですね、...それでは名残惜しいですが、そろそろ元に戻ってもらわなきゃなりません...」


寂しさを我慢するかの様な顔でファルを再度封鍵の中へ入れ陸に渡す。


「そうですね...まぁ約束しましたから、必ずお兄さんを探してルイス君を助けてみせます。次会うとなるときはルイス君が助かる時ですかね?」


「えぇそうですね、何度もお願いした立場で申し訳ありませんが...無茶だけはしないようにお願いします」


「一回願いを聞いちゃったんでもう2回も3回も一緒です、大船に乗ったつもりで見守っててください、じゃあ行ってきます」


陸がそう告げると、ここに来た時と同じ様にゆらゆらと心地よい光に身体が包まれていく。


意識が落ちる前のメルフィーさんの微笑みがとても印象深く、これからの冒険を後押ししてくれるかの様だった。












第1章終わりです。殆ど説明だった気がします...

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