プロローグ
何これ?どうゆう事??俺さっきまで家の蔵に居たよな???てかここ何処????何で手足に枷なんか付いてるの?????ドッキリ??????
いやいやいやいやちょっと落ち着こう何でこうなった??
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大学の夏休み、俺は毎年参加しているダンスイベントへ参加する為に、地元静岡に帰省している。来年には就活の準備もあるので、暫くはこのイベントにも参加出来なくなるなぁ
そんな事を考えながら特産であるお茶を啜り饅頭を頬張っていたら、庭先から母が叫んで来た
「りっくん!ちょっと頼みがあるんだけどこっちに来てくれない??」
なんだろ?まぁ大体こうゆう時は面倒押し付けられるからなぁ〜......よし、逃げ
「居るのわかってんだよ?逃げたら後で裏庭な?は〜い、5、4、3、2、い『はいぃぃ!!来ました!ご用件は何でしょう!?お母様!!!』もぅ居るならお返事くらいなさい!後お母様じゃなくて、る・いちゃん、でしょ??」
声のトーン落とすなよ、怖ぇ〜よ...息子を脅すなよ
「いい歳してるいちゃ『なぁに?』んなんでもありません」
うん元ヤンのるいちゃんには逆らえません、大人しく要件聞いと方がいいね。
「んで何だよ、かあ...るいちゃん?俺これからイベントの為にチームの奴等と駅で練習あるんだけど?」
...まぁ練習は夜からなんだけどね、こう言っとけば面倒押し付けられないでしょ。
「るいちゃんの言うこと聞いてくれたらお礼にお小遣いあげるんだけどなぁ〜りっくん衣装やら場所代やらでお財布そろそろ寂しでしょ?こっちではバイトもしてないんだし......後練習は夜からよね?ね?」
バレてました。
後笑顔怖いから、目が笑ってないから、目線下げれないけど手をポキポキ鳴らさないで、聞こえてるから、怖いから。
まぁでもこずかいは有難い。
「わかったよ、お願いって何?」
「流石りっくん!あのね、おじいちゃん家の蔵を掃除を手伝って欲しいの、ネズミやら虫が湧いたりするから定期的に掃除しないと駄目なのよ、おじいちゃんが亡くなって結構経つでしょ?おばあちゃん1人で掃除は大変だし危ないから、るいちゃんの代わりに行ってくれないかしら?」
あぁあの蔵か確かに色々置いてあって色々湧きそうだよな、昔悪さしたら彼処に閉じ込められてたからいい思い出ないんだよなぁ、でもばあちゃん1人にさすわけにもいかないか、てゆーか...
「何でるいちゃんは無理なの?」
「るいちゃんは今からしゅ、お茶会よ!昔のお友達と」
ニコッと誤魔化してるけど、昔の仲間と集会と言う名のお茶会なんだね...まぁいいや
「あ、整理が終わったら杏cafeにいらっしゃい、おこずかい渡すから」
「わかったよ」
まぁ適当に...
「適当にやっても分かるわよ?」
ねぇあなたは某妖怪漫画の心が読めちゃう方ですか??クリームパンが欲しいんですか???
「わかってるよ、しっかりやるから少しは色付けてくれよな」
「ふふ♪わかったわよ〜、じゃ後よろしくぅ〜」
母さん|るいちゃんは鼻歌交じりに家を出て行った。
さて、掃除しにばあちゃん家に行きますか、隣だけど。
「ばあちゃ〜ん、掃除手伝いに来たよ〜!!」
玄関を開け奥にいるであろう祖母に声を掛けてみる...いない?もしかしてもう蔵かな??
裏庭にある蔵へ向かうと、白い手拭いを頭に被りマスクをした祖母が蔵の前を掃除していた。
「ばあちゃん手伝いに来たよ、何からやればいい?」
「おぉ陸手伝いありがとうねぇ〜、悪いけどこのダンボールを蔵の2階まで運んでくれるかい?」
了解と頷きダンボールを持ち上げ2階へ運ぶ、うっ...結構重いなこれ何入ってんだろ?
「よっしゃ、ここでいいかな、にしてもこんだけ古い蔵なら物凄いお宝とかあったりして......ん?なんだあれ?」
年代物っぽい、漆が塗ってある黒い小さな木箱が目に入った。
蔵の中にはじいちゃんが生前集めて居ただろう骨董品があるのだが、それらを抜きにしてもその小さな木箱は存在感があった。
手に取って蓋を開ける、中には小さな鍵が一つだけ入っていた。その鍵は箱と同じように黒く、そして何年もほったらかしにされて居たのか錆び付いている、不思議な魅力に魅入られてしまったのか、その鍵を手に取った。
『やっと』
「?????」
突然頭の中に声が響き陸の身体は青白い光に包まれて消えてしまった。