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告白
俺はその日の放課後に千春に呼び出され
た。
千春は緊張した感じだった。
「直哉君、急に呼び出したりしてゴメン
ね」
「う、ううん。別にいいよ」
(話ってなんだろう。なんか俺まで緊張して
きた)
「あ、あの私直哉君といると素の自分でい
られるっていうか直哉君と一緒だと本当に
楽しいって思えるの。」
「そして直哉君のことを考えると何だか胸
が締め付けられる感じがするの。」
「私直哉君のこともっと知りたいし、ずっ
と一緒にいたい」
「...... 」
「私、直哉君のことが好き。」
「付き合って下さい。」
(これって告白!?どうしよう)
(でも.......)
「ご、ごめん....なさい」
(千春には俺なんかよりも)
千春は目を見開いてびっくりした顔をし
た。
「俺、かっこ悪いし、引っ込み思案だし、
俺なんかよりももっといい人がいるよ。」
「俺、千春と付き合ったら絶対迷惑かけ
る。」
「だから... ごめん」
俺は千春を振ってしまった。
千春は目に涙を浮かべて
「ゴメンね」
走り去って行った。
俺はそこでずっと立ち尽くしていた。
(これで良かったんだ... これで... )
と自分に言い聞かせながら。