誤り
誤り①
ヨーロッパの地方都市
私はそんな何ももな寂しい町の大地主の一人娘として私は生まれた。毎日を館で過ごし生活に不自由したことはないが、刺激のない毎日を送っていた。
今日も詰まらない毎日が始まるなと考えていると窓から微かに日が差し待ち構えたかのようにドアのノックが聞こえてきた。
「アリスお嬢様、朝になります起きてください」
執事のセバスだ。条件反射で「すぐで出ます、少し待ってください」と言いゆっくりとベットから身を起こした。
今日もいつもどおりの朝だ。そう思いながら金髪を少し整えドアを出た。
ドアを出るとセバスと待女数名が待ち構えていた。
お嬢様おはようございます。朝食のお時間です。後はよろしくお願いしますよと言うと次女達が淡々とでこちらへと言い。衣裳部屋へ半ば強制的に連れて行かれる。
侍女達にされるがまま、髪や服・装飾品を見繕われる。いつも思うが、たかが屋敷にいるだけなのにこんな綺羅びやか格好をする必要があるのかと。
そんなことを考えているといつのまにか衣装も整い朝食の席へ向かった。
広間に着き、広間の中心にポンと置かれる大きなテーブルを見るとと席にはすでに父達が待ち構えていた。大きなテーブルだが席は四つしかない。正面の大きな絵の下に父、そうし右手には誰も座らない母の椅子。そして左手に私の婚約者であるマイクが座っている。
単調で機械的な声でマイクが言った。「早く席に着きなよアリス。ご飯が冷めてしまうよ」
そう言われると私は黙って席に着く。
本当に詰まらない男。私にってマイクはそうとしか思えない。婚約者とは名ばかりで私とマイクの関係は中世の時代のような時代錯誤な政略結婚である。
マイクも他の町の地主の次男でまるで家庭教師に調教されたかのような特徴がない男でまったくといって魅力が感じられない。害もなければ益もない。このまま歳を重ね二年後の一八の歳には、あいつと結婚すると思うと嫌気が差す。
席へ着くと前菜が運ばれ静かな朝食が始まった。黙々と食事をこなし普通に食べれば3三十分程度で済む食事を礼儀正しく食べ1時間程で朝食は終わった。
いつものように歴史や淑女としてのマナーを躾けられていると日は沈みかけ夕方になっていた。
教育が終わるり、マイクとの付き合いもない時はいつも館の上階の見晴らしがいい部屋で町に思いを馳せ遠い町を眺める。私のつかの間の休息である。、
すると後ろから今日もお疲れ様と無邪気な声が聞こえる。次女の一人のエイミーである。
私も笑顔で振り替えり「お疲れ様と返す」
エイミーは年寄りしかいないこの館で数少ない同い年であり、愚痴聞いてくれたりり町を教えてくれは私の数少ない友人である。
するといつものようにエイミーが話し出す。また町をみているの?
うん。やっぱり一度はいって見たいんだ。
町もそんなにいいところじゃないけどな~と言う。この会話は私とエイミーにとっては挨拶のよ
うなものでいつもここから話が始まる。
その後、愚痴などを言い合い話は再び町の話題に移る。
町って言ってもな~。ここでやれることと大差はないよ。むしろここの方が料理もおいしいし、音楽も演劇も一流の劇団が来てくくれるし何不自由ないけどな~。
確かにエイミーの言う通りである。だか私はすかさず切り返す。
私は普通の女の子になりたいの、音楽も礼儀正しくしおじさん・おばさん達と聴くじゃなくて同年代の人たちと聴いて音楽の感想も堅苦しい美辞麗句を羅列した感想じゃなくて本音を言い合いたいの。出来るならあんなマイクみたいな男じゃなくて普通の男と恋愛がしたいの。
そういうといつもは隣の芝は~とかテレビドラマの見すぎだよと話を切るエイミーから意外な言葉がでた。
「じゃ一度わたしと町に出てみようか」
一瞬だが私は頭が真っ白になってしまった。何度もここを出ることを考えたことはあったが自分の運命だと思い押さえ込んできた。
なんで侍女であるエイミーがいきなりそんことを言うのと蚊細い声で問いかけると
友達であり侍女だからだよと言い、町にありもしない幻想をずっと抱いてもかわいそうだし、何よりも友達の夢を叶えてあげたいから。だけどいつも言う通り町はそんなにいいところじゃないよ。
私が沈黙しているとエイミーが更に投げかける。
行くなら明日いこうよ。明日は警備のシフトも緩いし何よりも明日は年に一度のお祭りもあるし。
私がまだ沈黙を貫いていると。
「その程度の気持ちなのと」
こうして私達は明日、町のお祭りに行くこととなった。
今の私の気持ちは町へ繰り出す喜びと不安で入り混じる生まれて初めての気持ちであった。
そんな二人の会話を静かに聴いていた幼馴染の執事アレンはどうするべきか静かに悩んでいた。




