もう少し寝かせて…よ
短編書いていて…忘れていた訳では…決して御座いません…。
フカフカでポカポカ暖かい何かに包まれている…。
起きなくない…むにゃむにゃ…ぐー。
ペシペシ…。
惰眠…最高……むにゃにゃ…。
バシバシ…。
何…何なの…むにゃ…。
スパコーンッ!
「ふぎゃっ」
「流石に起きろっ!どんだけ眠る気なんだ…。」
いや、永眠してしまいそうですが?
「痛ちゃい…誰にゃの?にゃにしゅるの?」
涙目で振り返ると、おおっ……イグー……僕の妄想じゃなかった。実際に居たんだ…。でも何故?今まで一体何処に?
「何処にいちゃの?にゃんで僕を置いていっちゃの?」
イグーは僕の頭をポンポン叩くと、とんでも無いことを言ってのけた。
「いや、進行方向にフェンリルが居たから…シャワを連れていたら危ないだろ?だから先ずはシャワを安全な場所に置いて、蹴散らしに行って来た…」
ええっ?フェンリルって、あのフェンリル!?北欧神話の巨大狼のことぉ~?イグーって何者?勇者とかかな?
「に…にぇえ、イグーは…しゅごくちゅよいの?」
イグーはポカーンって顔をしてる。変なこと聞きましたかね?
「ん?ああ…教えて無かったか?俺は赤竜だ。まぁ、髪が赤いから分かりやすいだろ?」
竜…だと?ファンタジーだ。お話の世界の生き物が今、ここに!凄いなぁ~凄いなぁ~と目を輝かせて見つめていて、ふと気付く。あれっ?でも人の姿してるよ?本当に竜なのかな?
「イグーはほんとに竜にゃの?人のしゅがたをしちぇるけど……?」
僕がそう聞くと、苦笑いをしながら腕の部分だけだが、竜に転じて見せてくれた。
「うわぁ~ほんとだぁ~!疑ってごめんなしゃい」
「良い。気にするな。ま、普通は皆知ってることなんだかな…。いくらガキだからって何故知らんのだ?エルフは全く住んでいる森から出てこないからって…………。」
イグーは喋っていて何かに気付いた
ような顔をしてる。
聞きづらそうな顔を、一瞬したが聞いてくる。
「シャワ…お前……どうしてこの深淵の森に居る?お前らエルフは、隣の大陸メルネア大陸の世界樹の森に住んでいるはずだろ?」
心底不思議そうに聞いてくるが、知らん。
というか、今気付いた…僕…エルフなの?ただ、ちびっこになっただけだと思ってた…。
確認の為僕は自分の耳を、触ってみる……。
うひゃっ!?長い……。ええっ?先にいくほど細かくなっていて、先っちょが尖っている……。
本当に…エルフ耳だ…。
僕の不審な行動に核心を得たのか、イグーがズバッと言って来る。
「まさかとは思ったが……シャワは記憶が無いのか?」
いや、記憶はある。38年間鈴木紗和という人間の過ごした記憶が…。たが、身体が別の人のモノならば、記憶が無い。
僕自身はただ単に身体が縮んだ、位にしか考えて無かったし……。
僕が悩んでいて、返事をしなかったせいなのか、イグーは自分の発言が当たっていると解釈したらしく
「そんなに気にするなよ?ちゃんと護ってやるし、帰りたいならシャワが大きくなって、旅に行ける体力が付いたら一緒に連れていってやるよ」
またもやイケメソ発言。たが、帰りたいとか無いし。記憶も無いし。僕の持ち物はこのちびっこボディと、防御力皆無の薄い病院の患者っポイ衣服だけだよ。
てか、この服……趣味悪くない?何故この服なのかな?
あーもーわからーんっ!僕は後ろにた折れ込んだ……。
ドサッ…。
ブヒッ……。
嘘です…。ウッカリしてました。次は…次こそは………。
不定期更新なので……許して下さい。此にて御免!