追いかけっこはまだ続く
誤字脱字は諦めて下さい。
ハアハアハア………ハアハアハア……。
少し走ってはまた止まりを繰り返しているせいで、頑張って息を整えようとするけど、まったくと言って良いほど整わない。
いじめっ子少年から逃げ出した僕でしたが、どんなに頑張って逃げても体力の無いチビッコボディの僕では逃げ切れない。
チラチラと後ろを振り返ると、あの少年が余裕そうな表情で近づいて来ます。うへぇ……捕まったら何されるか分かりませんよ、あーいう手合いは。
「ひぃ…ひぃ…ふひぃ………」
一生懸命逃げていますが、口から変な声が出るし、正直足が疲労でブルブルと震える。
己の足を叱咤しつつ進み、路地の角を曲がった僕は反対から曲がってきた相手とぶつかってしまった。
「うきゃっ!!」
「うわあっ!!」
悲鳴を上げながら尻餅をついた僕と、ただ単に驚いただけの相手…………何か納得いかないけど、お身長差があったので、致し方が無かったのですが、相手の顔を確認して互いに固まってしまった。
なんとそのぶつかった相手というのが、授業の時に僕の横に座っていたラギくんだったからだ。
あのデフォルトで浮かべている儚げな微笑みを湛えながら、尻餅を付いたままだった僕に手を差し伸べてくれる。
「大丈夫?ほら、掴まって」
「あっ!どーも、有り難うなにょっ!」
ラギくんが差し出してくれた手に引かれて、よっこらしょっと立ち上がる。
「どう致しまして。でも、どうしたんだい?そんなに急いで走ると危ないよ?」
ううっ……優しい。でも僕が走らなければならなかった原因は君。
ラギくんが優しくなかったら、面と向かって文句とか言っちゃってたかも。
「う、うん。そりぇは分かってるけど…………」
煮え切らない僕の返事にラギくんは、怪訝そうな表情だったが背後から聞こえてきた声におや?という表情に変化する。
「待てぇー………………って、おお!ラギッ!良いところに!」
「あれっ?キャスカ?どうしたの?」
「おう!良いからその妖精……じゃない、チビエルフを捕まえるんだよっ!」
「えっ?えっ?な、何で?」
いじめっ子…改めキャスカ少年は、戸惑うラギくんに僕を捕まえろと命令する。
「な、何でも良いから俺の言う通りにするんだよ!」
「………キャスカ?こんな小さい子に何をするつもりなの?」
「チッ。理由は後で教えてやるから!!」
キャスカ少年は面倒くさそうに顎を僕の方へとしゃくる。
全く折れないキャスカ少年に、とうとうラギくんが押し切られた。
「………はあっ。後でちゃんと教えてもらうからね?危険な事だったら止めるからね?」
えっ?ラギくん折れるの?危険だったら止めるって言ってるけど、今回折れたんだから次もキャスカ少年に押し切られるんじゃないの?
キャスカ少年に捕まったら僕は何をされるか……ガクガクブルブル。考えるのも恐ろしい。
ラギくんとキャスカ少年が言い合っている内に、フェイドアウトすべし!!
僕はソローリ、ソローリと後ずさると気配を殺しつつこの場を逃げ出した。
しめしめ……2人は喋っていてまだ気付いていないぞ。
今の内に距離を稼いで置かねば。
しばらくして背後から「ああっ!?あのチビが居なくなってやがるっ!」というキャスカ少年の大声が聞こえて来る。
は、はうあっ!!
感付かれた!もう気配を殺すのは止めだ。
このボディでは走って逃げ切るのは不可能に近いので、早くどこかに姿を隠さねばと思うのですが中々良い場所は見付からない。
「はっはっはっ!バカなチビだ。こっちは1本道だぜっ!!」
背後からキャスカ少年の声が再度聞こえて来る。
うぎゃっ!い、1本道なのかっ!そりゃ隠れる場所が無いはずだよ。ちくしょー。
逃げる僕と追うキャスカ少年&ラギくん…………………さっきよりも1人増えてる。絶体絶命大ピンチだ!どうしようっ!?
まだ続く…………だと?
長い………長すぎる。皆様もでしょうが、小生自身も飽きてきてます。




