何だか変な事が始まった
誤字脱字は……直す……つもりです。
「……………………………何をやっている?」
地を這うような重低音ボイスが、背後から聴こえてくる。
「あっ!イグー!」
僕がその恐ろしい声の持ち主の名前を言った瞬間、示し合わせたかのように、カルネラさんと、ミアさんとリアさんは、器用に店内で散開した。
しかし、イグーには敵わなかった。
そんなに広くない店内で、3方向に逃げ出した3人を、瞬時に移動し片手で捕捉すると、感情の出ない声音で問い掛ける。
「お前ら……シャワに、一体何をしていた?」
「ひいっ……ごめなさいっ!」
「うひゃあっ…すみません!」
「………………………」
ミアさんとリアさんは、素直に怯えて、イグーに許しを乞う姿勢を見せたが、カルネラさんはソッポを向いたまま、微動だにしない。
そんなカルネラさんに、イグーは掴んでいた腕を捻り上げた。
「くっ………っ……っ……」
カルネラさんの顔が苦痛に歪む。
「それで?何をしていたんだ?」
カルネラさんの腕からギシギシと、骨が軋む音がしてくる。ううっ…メッチャ痛そう……。
なのに、カルネラさんは黙ったままだった。
何故だろう?別にそこまで変な事はしてないのに、何をしていたかを言わないのだろうか?
「イグニスッ!待って!今回の事は私たちがカルネラに、頼んだのよっ!」
「そっ…そうよっ!だから、カルネラだけのせいじゃないのっ!」
そうだったの?カルネラさん……見直したよ!友のために、沈黙を守って居たなんて…。
ここは、僕も迷惑は掛けられたけど、援護射撃をしてあげようっ!!
「そうだにょ!この服を買って貰ったにょっ!」
僕はイグーの眼前に躍り出た。
すると、カルネラさんの腕を掴んでいたイグーが、驚いた表情で僕の方にフラフラと近寄ってくる。
ただし、カルネラの腕を掴んだまま。
「ぐげっ……いぎゃ……おごご………」
イグー……カルネラさんを放してやりなよ。掴んだままフラフラ歩くから、カルネラさんの腕が変な方向に曲がってる様に見えるけど?
「シャ……シャワッ!なんという姿にっ!かっ…可愛すぎるっ!!」
イグーはついにカルネラさんの腕を放り出すと、僕を思いきり抱き上げた。
あっ!うん……買って貰った服って、あれだ……あのなんちゃらの糸を使ったワンピースだ。
失念してた……僕は現在女装して居たのだった。
「うわわ~!イグー……下ろしちぇっ!下ろしちぇ~~~~!!!」
僕がイグーに抱き上げられながら、騒いでいる間にカルネラさんはミアさんとリアさんに、無事回収され、肩を嵌めてもらってました。
どうやらイグーが放り投げた時に、肩が外れてしまったみたいです。
それから数分間もイグーに抱き締められていました。
僕がやっと解放されたのは、フレイルさんがイグーに取り成してくれたからでした。どんだけ抱っこ好きなんだよっ!この抱っこ中毒者めっ!
***
「「「本当に……この度は、申し訳御座いませんでしたっ!!!」」」
カルネラさんを除くフレイルさん、ミアさん、リアさんがイグーに頭を下げている。
「本当にな……。シャワに用事ならば、この俺を通してからにしてもらおうか?」
何ですかね?イグーは僕のマネージャー気取りか何かでしょうか?
多分皆さんも内心で(何でお前の許可がいるんだよ?)って、思ってますよね?分かります。若干僕もそう思いましたから。
「何で……何でシャワーちゃんに用事があると、イグニスに一々言わなきゃなんないのよ?おかしくない?」
カルネラさんがまたもイグーに噛み付きます。学習能力は……ああっ……無いっポイですね。
「あん?シャワはまだ幼いんだ。たがら保護者が必要だろう?」
いや、38歳ですけども?年齢的に言えば、もう立派なオッサン何ですけどね~。
「だから、何でその保護者がイグニスで決定してんのよっ!誰がなっても良い筈でしょ?」
おっと!どうしたんだろう?カルネラさんが、結構マトモな事を言ってます。
確かに、イグーの家で一緒に生活していますが、はて?どうしてだったのでしょうか?
「はあっ?シャワは俺が最初に見付けたんだし、俺と一緒が良いに決まってるだろ?」
うっ?う~ん……まぁ、今更他の人と暮らすのも……ねぇ…。
僕は元々引きこもりだったし、大勢の人と関わるのも……ちょっと勘弁してもらいたいし。
イグーは何だかんだ言って面倒見も良いし、一緒に長時間居て疲れない稀有な人物だし。
あれっ?そう考えると、イグーとの生活って中々良いのでは?たまにチューとかしてきてウザいけど、それを引いても余りある快適さがあるよね?う~ん……。
「ふぅ……。イグニスもカルネラも落ち着いて?ここは本人に誰と一緒が良いのか選んでもらうってのは、どうでしょうか?」
フォローの達人、フレイルさんがニコニコ笑いながらそんな提案をしてくる。
「じゃあほら、シャワにアピールしなよ二人共。どっちが一緒に居てシャワにメリットがあるのかをね?」
えっ?なにそれ面倒くさい…。選ばなきゃダメなの?僕……早く帰ってゆっくりしたいですけど?
「はいはいはいっ!先ずは私からよっ!」
「カルネラ……ここは、公平に決めないと……」
やる気が満ち溢れてるカルネラさんが、フライング気味にフレイルさんに挙手する。
そして、それをたしなめるフレイルさん。
「ふんっ……。俺はカルネラが先で構わないぞ」
おっと。イグーは強気発言ですね。
これで僕がこの2人以外を選んだらどうなるのかね? コワッ……。その後が怖くて、僕には冗談でも出来そうに無いよ。
選んだ人がイグーたちに消される……確実に。
「あらあら?敵に情けを掛けるつもりかしら?イグニスは。後で吠え面かかないでよっ!!」
「………かかねぇし」
「チッ………。じゃあ、お先にっ!!」
カルネラさんが、勝ち誇った笑みでこちらに向かって歩いて来るのを、僕は微動だにできずに見詰めていた。
変な所で切って、すみません。
この変な所で話……次回も続くみたいです。
気長に待ってて頂けると……有りがたいです。




