ザビエル…フランシスコ・ザビエル!?
取りあえず書けたので投下!
誤字脱字はありますが、良ければどぞ。
ケバブ(?)屋のおばちゃんに教えてもらった、青い屋根の家にやっと辿り着きました。ケバブ(?)の恨み……じゃなくって、他人の迷惑になるような事はするなと、ビシッと言ってやるのですっ!
僕がドアをノックしようとすると、イグーが待ったを掛けてきます。いきなり出鼻をくじかれました…。
「待てシャワ…。俺がドアをノックするから、お前は俺の背中に隠れてろ」
有無を言わさぬ速業で、僕はイグーの背中に背負い込まれた。おうっ………抱っこの次はおんぶかね?忙しないね。
ドンドン…ドンドン……………………。
イグーがドアをノックして暫く待ってみるが、返事が無い。留守なのだろうか?
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
イグーが先程よりも大きくドアをノックするが、やはり返事は無い。多分留守ですよね?
ドドドドドドドド…ドドドドドドドドッ…ガタガタガタガタガタガタ…バキッ。
イグーよ……止めなさい。連打した後の、ドアノブを掴んで揺するのも止めなさい。最後に嫌な音がしたので、即刻止めなさい。
僕がイグーを止めるため、声を掛けようとした正にその瞬間、ドアが勢いよく開け放たれる。
ドバッターンッ!!!ギギィーーー……………
「誰なんだよっ!出ないんだから、普通に考えたら留守だと思うだろっ!?常識ねぇのかよっ!」
おうふっ。ドアを開けた人物に、物凄いシンパシーを感じる。何故かというと、まるで以前の僕の様な姿だったからである。
そう、正に僕がポッチャリと自称していたメタボリックボディに、頭部がこの人はザビエル…フランシスコ・ザビエルヘアー……頭頂部のみ地肌を晒している極めて革新的なヘアースタイルである。
出会ったらまずビシッと言ってやるつもりでしたが、客観的に見た外見の物凄いインパクトに言葉が出ない。
怒鳴りながら出てきたザビエル(勝手に決めたアダ名?)であったが、イグーを見て唖然としている。
「なっ…なななな……何だあんた!?変態か?」
言うに事欠いて、イグーを変態扱いとは、コイツ…ふてぇ奴だっ!!
「何て事を言うにょっ!イグーが変態な訳無いにょっ!謝りぇっ!」
何故かイグー本人ではなく、僕がヒートアップしてしまったのだが、次の彼の言葉で今度は逆にクールダウンてしまった。
「はあっ!?どう見ても変態だろ?独り暮らしの男の家に、上半身裸で訪ねてくる様な不振人物は、変態で十分だ!」
「ああっ!そうだったにょ……。イグーは僕のしぇいで、上着を着てなかったにょ…」
ボディに似合わず鋭いツッコミだなザビエル!確かにザビエルの言う通りだ。ここまで来るときの道中は特になんの問題もなく、皆イグーの格好をスルーだったから、別に問題ないと思ってたけど、流石に人の家に行く場合は駄目だったのか……。一旦新しい上着を取りに戻るべきだった。まあ、後の祭りですけども。
「フヒッ…。でもまあ…変態とは話す気にならないけど、君となら話してあげても良いよ?」
うん?僕の方をじっとりと見詰めて来る。うん、シンパシーを感じていたはずなのに、ザビエルの視線に背筋がゾワゾワするのは何故だろう?そして心なしかザビエルの頬が赤くなっている様な……まさかね?
「フヒヒ…。こんな所でエルフの幼体に会えるなんて……僕にもやっと運が向いてきたよ。これからが僕の本番だよ…フヒヒ…」
ひいっ!何か言ってる…。昔の僕もこんな感じだったのか?客観的に見たら気持ち悪いっ!そりゃ妹にも汚物を見るような目で見られるよっ!!
「ひょえぇぇぇ~~~」
ザビエルの視線に僕は情けない悲鳴を上げながら、イグーの背中に顔を伏せた。するとイグーにも僕の恐怖が伝わったのか、僕を背負ったままザビエルから距離を取ってくれた。
「………何で僕から逃げるの?ねぇ何で?皆で僕を馬鹿にしてるのか?」
ザビエルから禍々しいほどの淀んだ赤の光が立ち上る。あれは一体何なのでしょう?僕だけに見えるようならば、眼科に行かねばならないが、果たしてこの異世界に眼科があるのかすら不明である。
一応イグーにも見えるかどうかの確認をしてみようかな?
「にぇ、イグーにもザビエリュの周りにありゅ、赤い光は見えりゅの?」
「ああ…見えるが?……しかしシャワよ、アイツの名前を知っていたのか?」
「えっ?知らにゃいよ?」
「じゃあ何故ザビエリュと呼んでいるんだ?」
「え…ええっと…そにょ~あにょ~。ザビエリュみたいだかりゃとしか………言えないにょで…えっと……」
僕がモゴモゴと、詰まりながらイグーに話していると、自分を無視して僕達が話しているのが気に入らないのか、ザビエルが口角泡を飛ばして怒鳴って来る。
「ざけんなっ!僕を無視したままイチャイチャしやがってっ!!フヒッ…絶対に許さないからなぁ…」
イチャイチャなんてしてないのに、どこをどう見たらそんな風に見えるのだろうか?ザビエル…お前も眼科に行くか?
ザビエルの周りに漂っている禍々しい赤色が、よりいっそう濃くなる。
「イグー!こりぇ、不味くにゃい?」
「うん?この程度なら大丈夫だろ?」
こんなに禍々しいのに大丈夫何か……。心配でイグーの顔とザビエルを交互に見てしまう。
「シャワは心配性だな?直ぐに方をつける」
そう言うとイグーは僕を地面に下ろすと、目の前から突然消えたと思ったら「グフェッ……」と、後ろから声が聞こえ、続けてドサッ…という何かが地面に倒れる音がした。
急いで音のした方を振り向くと、そこには地面へとうつ伏せで倒れているザビエルの姿と、その背後にイグーが立っていた。
「ふえっ?ど……どうなったにょ?ザビエリュ…死んではないよにぇ?」
「こんなこと位で殺しはしない。大丈夫…気絶させただけだ」
「そっか…良かったにょ…」
でもどうしよう?当初の目的はザビエルに一言ビシッと言ってやる事だったのに、全然言えてないよ?
気絶させちゃったから、いつ起きるかも分からないし……。
あっ!そうだっ!良いこと閃いた!書き置きとかしていったら良いんじゃないかな?
【この様に自分勝手な行いをしていると、また気絶するぞ?】とか、【人の迷惑になるような事は控えよ!】みたいな感じで書いておけば、流石に懲りるよね?懲りてくれるよね?
書くための紙とペンが欲しいなぁ……。紙と・ペン!!僕が召喚魔法を使うと、珍しく一発で紙とペンが召喚された。
アンパン○ンで召喚魔法が上達でもしたのだろうか?だったら嬉しい限りだ。一発で成功したため、僕は上機嫌だった。浮かれていた。
だから僕は気付くのが遅かった。この世界の文字が書けないという事に。
そして結局僕はイグーに頼んで書いてもらうことなり、そしてイグーに残った紙とペンを、あげる事になった。どうやら僕の召喚したものが欲しかったそうだ。アンパン○ンへの反応はアレだったけれど。
ザビエルは、流石に外に放置は可哀想という話になり、家のドアを開けた直ぐの床に座らせて来た。側には書き置きも残して。
これでケバブ(?)屋に迷惑をかけなければ良いんだけどね?僕も食べれるし。
まあ、何かあった今度は自分でどうするか考えるよ。イグーに頼りきりなのも如何なものかと思うからね?
僕は帰るため歩き出そうとしたのだが、やはりイグーに抱っこされてしまい、諦めに似た達観の境地で黙ってされるがままになったのでした。
大きくなってイグーが重くて持てないと、言うまできっとこのままでしょう。
早く大きくなりたいものです。まあ以前の僕や、ザビエルみたいな体型にはならない程度にですが。
結局名前は出なかった、ザビエル(仮)です。
今後も出てくるかは全く未定です。
今回の事に反省してスリムボディで再登場したらどうでしょうか?
痩せて美形になるって、王道ですよね?王道大好きです!
あっ…。待てよ?痩せて美形になっても、ヘアースタイルは変わらない訳で……イケメンザビエル……無いですな。
…………………無いですよね?




