謎のムカムカ…どうしたんでしょうか?
書けたから投下!!誤字脱字は各々カバーしてください。
土下座をしていた人の悲痛な叫びで、存在を思い出した僕達であったが、一体この人は何故土下座をしているのでしょうか?謝りたい相手でも居るんでしょうか?そうなると必然的に僕じゃ無いよね?だって僕、この人知らないし?
「イグーに謝っちぇる?だったら、許してあげてくだしゃいっ!」
「いいや……俺も知らない………ん?待てよ……どこかで見た顔だな?………どこだったか?おい、お前!顔を上げてみろ」
イグーは直ぐにはわからなかったみたいで、土下座をして居る人に顔を上げる様に言うと、恐る恐るその人が顔を上げると、その顔を覗き込んだ。イグーに抱っこされている僕も、必然的に覗き込む事になったのだが、最近この人と似た顔の人物を見た様な?う~ん……誰だっけ?思い出したく無い気もするけど。
「うぇっ………」
突然僕の視界が揺れる。後少しで思い出せそうなのに、イグーが土下座の人から突然距離をとったのだ。
「いきなりにゃに?しゅこしビックリしちゃよ?」
「いや、シャワがこいつに近付き過ぎだったからな。この距離でも顔は見れるだろ?」
う~ん……確かに見えるけど、一体どうしたのだろうか?イグーの謎の行動に首を傾げながらも、土下座の人の正体を暴くべく、見詰めて居ると段々朧気ながらも、浮かんでくる不快感………見に覚えがあるぞっ?これっ!!
「あのっ……。私は…お二人に謝りに来たのですが……」
「それは、見ればわかるが……理由がイマイチわからんな……」
土下座の人と、イグーが会話をしている話にも耳を傾けつつ、僕は二人に謝りに来たと言った言葉に引っ掛かりを覚えた。
イグーならまだしも、僕にまで謝りたいって…何故?
「理由は……私が本人より聞いたからです……」
「謝る理由は人づてだと?」
あっ!?僕わかっちゃった。うっ……かかわり合いたく無い……身体が拒否反応をおこしそうだよ……。うううっ…。
「はっ…はい。私の祖父の……長老より……」
はい、ビンゴ~!!ハッキリ言われたら、益々長老の面影が浮き彫りになって来るよ?この人!!
僕の身体がブルブルと震え出したが、イグーか優しく背中を撫でてくれたので、震えは収まって来た。
「あっ…あにょ…そにょ……別に…もう、良いでしゅっ!!しょれに、貴方は直接あにょ凶行に関わってりゅ訳じゃ無いでしゅし……ねっ?イグー?」
微かに震える手で、イグーの首に腕を回しながら確認をとってしまう、情けない僕です。
「シャワが、良いならば俺はそれで良い……。だが、長老の孫とやら……二度目は無いぞ?」
「はっ…はい。本当にこの度は、祖父が申し訳御座いませんでした。シャワさんには、今後一切近付かせない様に致しますので……」
「ならば、良いか」
う~ん……端で聞いていると、ストーカー被害にあった被害者と、被害者の家族と加害者の家族みたいな会話だね、こりゃあ……。
まあ、被害者は僕なんですが。昔はニュースでストーカーの報道をテレビで見ていた時は、ある意味凄いガッツがある人種だと、思ったけどね?
だって僕は家から出られなかったから、良くそんな他人の家までウロウロ出来るな…と、思ったりした時期もあったよ……。あの頃は若かったんだよ。
僕が一人で昔の自分に思いを馳せていると、イグーが変なことを土下座の人に言っている。
「それにしても、長老に孫が居たとは……。郷の中で話に出てこなかったぞ?」
えっ?そうなの?でも、長老の面影があるし…。本人も認めてるし……。
訝しげに土下座の人を見詰めるイグーに、僕がフォローを入れようとすると、土下座の人が自ら説明してくれる。
「あっ…いえ…私は特別影が薄いので…。力も長老の孫にしては、弱いですし……その…驚かれるのには慣れてます……」
ああっ…困ったような苦笑顔に、この人の幸薄そうな(失礼)今までの人生が、かいまみれるようで、ツライッ!!まるで昔の自分を見て居るようだ。
なのでつい、僕は彼に自分から話しかけてしまっていた。
「大丈夫でしゅっ!もう覚えましたっ!!長老の孫にょ……えっと……あっ!名前をまだ聞いてましぇんでしたっ!!」
僕の勢いに押されたのか、吃りながらも嬉しげに名のってくれる。
「ええ、そっ…そうでした……名のってませんでしたね?失礼しました。私はシアと申します……よろしくお願い致します…」
「うん。僕はシャワだよ?で、こっちがイグー!」
グイッとイグーを引き寄せると、土下座の人改め、シアさんに紹介した。
「はっ…はい…。イグニス様ですよね?存じ上げて居ります…。凄い魔力量ですね…圧倒されます…」
「ふうん。お前、俺の魔力量が分かるのか?」
さっきまで少しの興味すら持ってなかったイグーですが、シアさんが魔力を視認できると分かると、興味を持った様に尋ねてます。
ムムッ……何だか少し面白くありません。何故でしょうか?お腹がムカムカしてきます。さっき食べたケバブ(?)にでも、あたったのでしょうか?
和やかに喋っているイグーとシアさんには、悪いけどトイレに行きたくなって来ました。
出して仕舞えば、スッキリする筈です……。
「イグー……僕、トイレに行きちゃいから、下ろしてっ!!」
「ん?トイレ?何だそこは?俺で良ければ、連れてってやるぞ?近くにあるのか?」
なっ…なんですと?トイレで通じんとは…。どうするっ?
「えっちょ……廁?うう~ん…便所?」
「何だ…便所か?直ぐに連れていってやるからな。エルフは、トイレと言うんだな?覚えたぞ」
便所で分かるんだ…。それと、トイレ=エルフの便所って、覚えんでよろしいっ!!テストにも、出ないっ!!
「じゃあな」
「はっ…はいっ…………」
イグーは短くシアさんに挨拶すると、そのまま自分の家の扉を開けるので、僕も慌ててシアさんに別れの挨拶をする為、片手を軽く振ってバイバイした。
バイバイ…通じただろうか?シアさんは、一瞬キョトンとした表情だったが、扉が閉まる前に振り替えして来てくれたのであった。
扉が閉まると、イグは早速トイレに案内してくれたのだが、一緒に入って来る………って、ちょっと待て!なぜ入って来る?
「イグー…外で待っちぇてっ!!」
「何故だ?」
何故だ?だと?イグーお主…そういうプレーの上級者か?それともただの変態か?
「お前の様な子供が一人で入ると、穴に落ちたりするからな……」
「穴に落ちるっちぇ?」
「見たら分かる、ほら」
トイレのドアをガチャッと、開けたイグーに穴を見せられた。
確かに…確かに深い大きな穴がポツンと開いている…が、トイレは?あれっ?まさかこれがトイレ?
「シャワが間違って落ちたらひとたまりも無いぞ?」
ウゲッ…。落ちたら即死ですね?こんな所で死んだら、死んでも死にきれないっ!アンデッド化してしまいそうである。
屈辱的だが、死にたくは無い為、断腸の思いでイグーに抱えられて用を足した僕であった。
全然スッキリしないし、これからもこれが続くと思うと、精神的ダメージが大きすぎて、髪の毛が抜け落ちそうです。
早急に幼児用補助便座の開発か、召喚を急がねばなるまいっ!!
僕は心に深く誓ったのであった。
シャワちゃんが~夜なべ~をして、補助便~座召喚してくれた~♪ってな?
今後死に物狂いで、補助便座を手に入れるシャワの切ない歌です。




