予想だにしない人物の凶行
誤字脱字はいずれ直します。今回何故か長くなりました。良ければ読んでやって下さい。
召喚をハッキリと断った僕に、イグーがショックを受けたらしく、フレイルさんに向かって「俺はもう駄目だ……最後に…最後にシャワの召喚した物が…食べたかった……ガクッ」「イグニス~~~~~!!!死ぬな~~~~~~」という子芝居まで転回し、そしてチラッと僕の方を見てくる。限り無く面倒くさい。
視線を合わせながら再度こう言ってやった、
「絶対断りゅっ!!」
ションボリしたイグニスとフレイルさんは、肩を並べて座り込み、「出会った頃はこんなんじゃ無かった……」とか、「もう反抗期が来たのか?早すぎだろ?」などと言っています。この手合いは、無視するに限ります。
僕は二人を無視して、僕の魔力について聞く為に、パックさんに手招きをしてコッソリ聞く。
「パックしゃん、パックしゃん」
僕が手招きをすると、嬉しそうに飛んで来るパックさん……うん、ヤッパリ黙っていればカワイイなぁ~と、僕が内心考えて居ると、パックさんが僕の肩に座って来た。
えっ?ご褒美?妖精(外見美少女)が僕の肩にっ!死んでも良い……我が生涯に一片の悔い無しっ!!
僕が立ったまま至福の表情で微笑んで居ると、長老が音もなく近づいて来て僕の頭を触る。
撫で撫でですか?嫌いじゃありませんよ?
満更でも無い顔で撫で撫でをされるべく、スタンバっていると、いきなり長老が凶行に及ぶ。
グイッ……ブチブチブチ………。
「うぎゃーん~~~~!!!」
なんと長老が僕の髪の毛を勢いよく、雑草でも引き抜くかの如く、大事な髪の毛をむしりやがったのだ。
とんでもない悪です、悪魔です、大魔王ですっ!!
このジジイ~~~~何て事をしやがるっ?ぶっ飛ばすっ!はっ倒すっ!
長老の暴挙に怒りで頭が支配された僕は、無意識に指を長老の方に向けていた。
「うぎぎぎぎ………うぬぬぬぬ……」
身体が熱いよっ!苦しいんだ……楽になりたい………。
「……ちぇ~~~~いっ………」
僕の身体から熱が放出される感覚に、脇腹がゾワゾワする。
放出された熱は、指を向けていた長老の頭上に急速に集まり、物体が浮かび上がる。
長老の頭上に現れたのは、お笑いのコントなどで使用される鈍い銀色のタライであった。そのタライが勢いよく長老の頭にヒットしたのである。
ガッコーーーーーーーーーン!!!
「あべしっ…………キュウ~……」
タライが直撃した長老は、その衝撃により意識を手放した様で、地面に顔面からINしたのを間近で見ていた僕は、それで少し溜飲を下げたのであった。
「なっ…何だ?今の大きな音は?」
「ああっ!長老が倒れてます。如何されたのですか?」
さっきまで座り込んでブツブツ言って居たイグーとフレイルさんが、こちらに近寄って来るが、僕はそれどころじゃ無かった。
長老を倒して溜飲は下がったのだが、少し冷静になったせいで、自分の髪の毛がどうなって居るのかが、物凄く気になって居たのだ。
落武者ヘアーだけは免れたい一心で、近付いて来たイグーにしがみつくと、僕は頭部を確認して貰うため必死に聞いた。
「イグー!!!僕の髪の毛どうにゃの?無くなってりゅ?チュルチュル?」
突然の僕の発言に、イグーは驚いてる様子だけど、早く教えてはくれまいか?
「どうにゃの?にぇ~!!!」
「ん?何がだ?シャワの髪の毛?別に何時も通り、サラサラだぞ?」
内心サラサラな訳無いだろっ?と、思いつつもイグーの言葉で、落ち着きを取り戻した僕は、イグーに長老の凶行を話始めた。
「あにょね?突然…長老が僕にょ髪の毛を、一杯ブチッてむしって来たにょ………痛かったにょ……」
「何っ?そうか……それは多分、長老はシャワの髪に宿る魔力を調べたかったんだな。俺も少し気になるし………」
そう言いながら僕の頭に手を伸ばして来るイグーに、僕の身体はビクッと怯えてしまう。どうやら先程の長老の凶行で、怯えて身体が反射的に強張ってしまった様だ。
僕のその動きに、少し驚いたイグーであったが、優しくそのまま頭を撫でてくれた。何時もの撫で方に安心すると、強張って居た身体も弛緩していった。
うん。ヤッパリ撫でられるのは、好きだなぁ~……まあ、長老には絶対に撫でさせませんけど!いや、近寄りもしませんけどね!!
僕が落ち着いて来ると、イグーがおもむろに聞いてきた。
「それで……この長老の横に転がっている鈍い銀色の物体は何なんだ?何かを入れる器か何かか?」
「えっ?イグーはタライって物を知らないにょ?」
「タライ……というのか?この器は?」
そう言うと、バシバシタライを叩き始めるイグーであったが、何かに気付くように僕の方に視線を向けた。
何か考えて居る様子で押し黙るイグー。待っていると、恐る恐る僕に聞いてきた。
「シャワ……お前がこのタライという物体を召喚したんだよな?」
うん?そうだッ!ウッカリ忘れて居たけど、召喚出来たんだった!!全く予想だにしなかった物が召喚されたんだけどね?
あれっ?以前の召喚も予想外の物を召喚しちゃってた様な………?ま…まあ良いか。終わりよければ全て良しっていうもんね?
「シャワ?どうした?黙ったままだが、大丈夫か?」
イグーは突然喋らなくなった僕を、心配してくれていたみたいです。おっと…自分の世界に入ってました。
「ごめんにぇイグー。僕は大丈夫にゃの!それで、勿論僕がこのタライを召喚して、悪魔(村長)を倒したにょ!それがどうかしちゃの?」
「いや、身体が無事なら問題は無い。子供がこんなに大きな物を召喚すると、魔力の使いすぎで身体に異常をきたす場合があるから、気になったんだが……大丈夫なら安心だな」
イグーは唇の端を少し上げると、優しく微笑んだ。
イケメンが優しく微笑むとか、止めてほしい……男だと分かっては居るけど、心臓に悪い。
「心配してくりぇて、有り難う。でも…魔力を使いすぎりゅと、身体に異常が出りゅの?」
「まあ、あくまで竜族の子供は………だけどな?エルフは魔力が多いから、大丈夫だとは思って居たが……良かったな」
「うん。良かっちゃにょ……全然元気だよ~」
僕は自分の体力をアピールする為に、両手をブンブンと振り回した。その振動で、僕の肩に乗って居たパックさんが逃げてしまった程である。
空中で停止したパックさんは、「ファ~……お腹一杯で、オイラ眠くなって来ちゃった」と呟くと、突然消えてしまった。
慌てる僕にイグーが、「妖精は気まぐれだから、突然消えても気にするな。大体突然表れて、突然帰ってしまうんだ」と、教えてくれる。
心配要らないんだ……なら良かった。
安心したらお腹が空いてきたので、僕とイグーも帰る事にしたのであった。
フレイルさんに別れの挨拶をして、僕はイグーに抱っこされ帰路についたのでした。
ちなみに気絶して居るカルネラさんは、フレイルさんが担いで帰りました。
長老はそのまま放置されてましたが、同情の余地は無いので、そのまま放っておく形になりました。
年老いて居るとはいえ、腐っても竜族の長老なのだから、大丈夫でしょう………多分。
鼻血が止まらない季節になりましたね?小生、鼻の毛細血管が脆いらしく、鼻をかむと鼻血が出るのです。大量に出ます。何時もより多く垂れ流して居りますが、一行に貧血になったりは致しません………。不思議です。人体の神秘です……よね?




