マジックアイテムを売りに来た行商の名は……。
フフフのフ。一発書きだよっ!?きっと手直し致します。きっと。
「オイラは風の妖精パック~!呼ばれて飛び出て、ジャジャジャジャ~ン☆」
僕の目の前に妖精パックさんが現れた。成功だっ!
僕は急いでパックさんに、助けて欲しいとお願いをした。
「良いけどぉ~ギブ&テイクだよ~?そのお願い叶えてあげるけど、オイラのお願いも叶えてもらうけど~?良いかな~?」
ちょっと、怖いけど現状を打破出来るのは、パックさんしか居ないのだっ!
「お願いしましゅっ!」
「オッケ~☆それにしても、良く捕まるね~?趣味なの~?プッ……クスクス」
好きで捕まってる訳じゃない!ましてや趣味などでは、決して無いっ!!
少し気分を害したが、我慢だ我慢………。
「それじゃ~やりますかぁ~。ホイッ!」
ビュゴウッ!!!
物凄い風が吹いたと思ったら、僕は何故かイグーの腕の中に居たのである。
イグーも驚いた様に目を丸くしていたが、僕が腕の中に居るのが現実だと認識したようで、強く抱き締めて来た。
いや、嬉しいのは分かるけど、痛い……ギブギブ……もしや喜ぶ振りをして抱き潰す気なのか?
「ぐえっ……。離しゅのっ!苦ちいのっ!!」
僕はイグーの肩をペチペチと叩いた。今回は直ぐに離してくれたので、良かったです。ふう、やれやれ。
「シャワ……さっきは悪かったな…。危うくお前まで、消し炭にしてしまう所だった……。」
「う…うん。もう大丈夫なにょ。実際無事だったかりゃ、もう良いにょ!」
「そうか…。シャワは優しいな…」
そう言うと、イグーは僕の頭を撫でてくれる。
何故だか凄くホッとするんだよね。これ。
その直後、このほのぼのとした空気を、殺伐とした空気に変貌させてしまう叫び声が聞こえて来る。
「ちょっとちょっと!私を無視して何二人でいい雰囲気醸し出してんのよ?許せないわ~!狡いわ~!」
本当に空気を読まないな…カルネラさんは。
アレッ?でもさっきまでは逃げに転じていた筈なのに、どうしたんだろう?
「カルネラ、お前…ついに観念したのか?」
「何がよ?」
「人質だったシャワが居なくなったんだ、次はお前がこの世界から居なくなる番じゃないか?」
うわっ……イグーはかなり本気で、カルネラさんを消すつもりのようだ。と、止めた方が良いのかな……う~ん………。僕が微妙に躊躇って居ると、カルネラさんが、ふんぞり返りながらイグーに指を突き付けて、こう言った。
「イグニス!余裕をぶっこいてるけれど、覚悟しなさいっ!私には、先週行商のサッギーシが来た時に買った、パワーアップアイテムの魔力ギンギンくん8号があるのよっ!」
何それ?パワーアップアイテムって、ゲームかっ!
それにその恥ずかしいアイテム名は何なの?魔力ギンギンくん8号って………その前の1~7は失敗でもしたのか?
僕はネーミングセンスに気をとられてましたが、イグーは冷静にカルネラさんに何故今までは使わなかったのか聞いていた。
「カルネラ…お前、さっき使えただろ?何で使わなかった?」
カルネラさんは、少し気まずそうに顔をしかめると、
「別に?私の勝手でしょうがっ!」
「………………単に忘れてただけだな」
「ギッ…ギクッ……」
カルネラさんの顔から、滝のような汗が流れ落ちて居る。
「ちっ違うわよ?その…アレよ、ア・レ!!」
「アレとは?」
「その、えと、ほら…………あっ!そうそう、奥の手っ!そう、奥の手よっ!普通奥の手は、隠しておくものじゃない?」
ついさっき思い付いた様にしか聞こえませんが、どうやらこの理由で押し切るつもりの様だ。
無理じゃないかな?
「お前…無理あるだろ、そんなグダグダで……」
「うるさ~いっ!その余裕、無くさせてあげるっ!」
カルネラさんはそう言うと、パワーアップアイテム魔力ギンギンくん8号を、口の中に勢い良く放り入れた。
結果は、カルネラさんの自爆で幕を閉じたのである。
魔力ギンギンくん8号は、実は丸い球体状のアイテムであり、中々の大きさをしていた為、勢い良く放り入れたので、喉に詰まってしまい、カルネラさんは意識を失ったのである。
何だか不完全燃焼な結末に、モヤッとした物は残りましたが、一件落着と相成りました。
その後、渋るイグーを説得してカルネラさんの喉に詰まった魔力ギンギンくん8号を、吐き出させて蘇生をしてもらった。
因みに息を吹き返させるのは、僕らの世界と同じように、人工呼吸でした。魔法でとかじゃ無かったです。少し残念………いやいや、不謹慎な事を考えてしまいました。
人工呼吸は、火傷より回復していた村長が行ってくれました。家を破壊されたのに出来た方ですよ。
フレイルさんはカルネラさんに、カンカンに怒ってまして、「そのまま息絶えろっ!」とまで言い放ってました。
普段余り怒らない人に限って、怒らせると恐いって言いますよね?本当でした。
僕達が一段落した所で、ずっと忘れていた存在が声を掛けて来る。
「ねぇ~ねぇ~終わった~?ソロソロオイラのお願い聞いてほしぃなぁ~?」
パックが僕の目の前に現れました。君は今まで何処に居たの?申し訳無いけれど、存在を忘れて居たよ……ごめんね。
「パックしゃん、ごめんちゃい!そりぇで……お願いってにゃあに?」
何故か勿体ぶって、空中で1回転した後、パックさんは僕にこう言った。
「シャワッ!君のその綺麗な髪の毛が、少し欲しいな~☆」
そう言われた瞬間、僕とカルネラさん以外の全員から、
「「「それは、絶対に駄目だっ!!!」」」
と、声を揃えてダメ出しをされたのであった。
おまけの妖精パック ☆
※読み飛ばしても大丈夫ですので、あしからず。
あ~あっ。折角シャワに呼び出されたのに、オイラの事は無視ですか~?
別に……別に良いんだけどぉ~?拗ねてなんか無いからね!!
それにしても、シャワは捕らわれるの好きだよね~?僕の妖精の感だけど、きっとまた捕らわれたりするんだろうな~☆可哀想~★
早く終わらせて、オイラのお願い聞いてくれないかなぁ~?
あっ!良いこと閃いた~!あの女の~あのアイテム~元々パチモンだけど~更に喉に詰まるように細工しちゃえ~☆
クスクス…キャハハッ……これで僕のお願い叶える番になるよね~★
楽しみだな~。2つの意味で楽しみなのだ~☆
クスクス…。オイラは風の妖精~★イタズラも大好きだよ~ウフフ…アハハハハ~☆
このパックのイタズラという名の細工のせいで、カルネラは黄泉の国へと、片足を突っ込む事になるのだが、この時点ではまだ誰も知らない………。
おまけが長々と失礼致しました。




