逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ……ダメだっ逃げたいっ。
燃え尽きたよ…真っ白にな…。紗和のしゃべり方と誤字脱字は…スルー以下略!!
なけなしの勇気を振り絞り、イグーの足に必死にしがみつく。
「イグー!駄目にゃの!いきなり何するにょ!」
怖いけど頑張ります。僕だって男なんだぞ!本気を出せばイグーだって止めて……いや……無理。イグーは赤竜だった~!見た目が17歳位にしか見えないせいで、勘違いしてました。
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ……ダメだっ逃げたいっ。なけなしの勇気は、直ぐに無くなった。
それでも必死にイグーの足にしがみついて居ると、イグーはゆっくりと僕の方を向き頭を撫でた。
「泣かされてたんだろ?何で止める?」
君は僕の親か何かか?僕が泣かされたからなんなのさ?
「泣かされてにゃい!僕が勝手に泣いただけにゃの!」
事実だ。僕が勝手に以前の僕の身体の事を考えて、勝手に悲しくなり泣いてしまっただけで、カルネラさんとフレイルさんは冤罪である。
ダダダダダッという音と共に、
「ちょっと、痛いわねっ!誰なのよっ!ボコボコにしてやるんだから!」
という声が聞こえて来る。
吹っ飛ばされたカルネラさんが、こちらに向かって勢い良く走って来る。その後にフレイルさんもちゃんと居る。二人とも元気そうだ。凄いな赤竜……かなり吹っ飛ばされたのに、ほぼ無傷だよ。
般若の形相で走ってきたカルネラさんですが、イグーを見た瞬間に回れ右っ!をしてかけ去ろうとして、イグーに頭を掴まれて居ました。素早いなイグー!
「まぁた、お前ら双子か……何か騒ぎがあるといつもお前らだな?」
兄貴がイグーに頭を掴まれたままのカルネラさんに、苦笑いしています。
「ちょっとビゼー…笑ってないで、イグニスをどうにかしてよ~」
カルネラさんが頭を掴まれたまま、兄貴と会話をし始めました…。大丈夫かな?
「ん~無理じゃねえの?イグニスは、そのガキの事になるといつもの無関心さが、無くなるしな~ギャハハハハ…」
笑い事じゃないよ?速く離してあげて欲しくって、イグーに頼んでみる。
「イグー…カルネラしゃんを離して下しゃい」
そう言うと、イグーは直ぐに離してくれた。なぁ~んだ簡単じゃん♪と喜んでる僕と違い、カルネラさんは信じられない者を見るような顔で、僕とイグーを交互に見ていた。
「ビゼーの言うことが本当だなんて……明日はきっと良からぬ事が起きるわっ!不吉だわっ!」
酷い言われようだが、兄貴…カルネラさんに何をした?
「おいおい、それだと俺様がいつも嘘ばっかり教えてる見てーじゃねえか?」
「大体が嘘……というか、勘違いした事をさも本当の事のように言うでしょ?」
「んだと?」
「何よっ!遣るっての?」
そんなに険悪なムードじゃないな…何かいつものやり取りって感じがする。あの二人は放っておいても大丈夫そうだね。
そう言えば…何か忘れて居るような……。思い出せない。イグーの方に視線を向けると、
あっ!思い出した。フレイルさんが消えていたんだ!!何故思い出したかと言いますと、イグーの視線の先に固まったままのフレイルさんが居るからである…。
「フレイル…そう固くなるな…もう怒って無い」
「ほ…本当に?良かった…」
おおっ!?フレイルさんの硬直も、解けたようで何よりです。僕が一人でこれにて一件落着~と、思っていると…。
「で、シャワ…何故郷の中に居る?近くに居なかったから心配した」
うぎゃっ……。そうだよね?気になりますよね?心配かけちゃってたのか。悪かったかな?でも暇だったから散歩しようと思っただけだし……あれっ?そもそも、イグーが兄貴と喧嘩を始めるのがいけないのであって…。
いや、原因は僕だったけ?う~んう~ん……。
脳内会議終了!!僕は悪く無いという結論に到達した。原因は僕だけど、喧嘩しろ何て言ってないからね。
「心配かけちゃのは、ごめんにゃさい…でもイグーも直ぐ喧嘩しゅるの良くないかりゃねっ!」
ふうっ。どうだ?僕だって言うときは言うんだぞ!滑舌もましになっている……気がする。
腰に手を当てふんぞりかえる。ポッコリお腹が際立っている。
「クククッ…ハハハ…シャワには、本当に笑わせられるな?確かに直ぐに喧嘩するな」
そう言いながら、僕のお腹をまた突っついて来る。
「キャハハハハッ…や~め~りぇ~」
そんなやり取りをしている僕達を見て、
「「「あのイグニスが、声を出して笑ってる……初めて見た………」」」
と、三人は声を揃えて呟いたのでした。
次回はイグー視点ですかねぇ?ふと思ったのですが、イグー視点要りますかね?作者が楽しんでるだけなのでは?(私が他視点読むの好きなので入れてますが…)不要かな?まあ、いっか~。要らない方は飛ばして読んで下さい。紗和以外の視点の場合、一応前書きの部分に誰視点か入れますので。




