ギリギリ
きみのうたが五線譜からはみ出そうに膨らんで
それでもギリギリで戻っていって
照れ隠しのアドリブ入れて
バレバレだよって
わたしは目を閉じて
きみのうたが五線譜を滑りおちそうに艶艶して
それでもギリギリで踏ん張って
勢いあまって転んでしまって
ドジだよねって
わたしは目を開けて
きみのうたが五線譜を溶かすように滲んでいて
それでもギリギリ唇を噛み締めて
ぶるぶると震えているから
大丈夫だよって
わたしは抱きしめる
きみのうたが五線譜を踏み倒し空を飛んでいく
どこまでも広いからギリギリなんてなくて
いつの日か辿り着けるかな
迷子にならなければ
わたしはきみと笑った