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異世界成り上がり神話〜神への冒険〜  作者: ニコライ
第1章 異世界放浪記
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第3話 商業都市イーリア①

「お?ミリアちゃんとフリスちゃんか。おかえり、いつも通り証明書を出してくれよ。それと、そっちの男は?」

「私達の分はこのギルドカードね。彼は村から出てきたばっかりだから、仮証明書を発行して貰える?」

「ああ、分かった。発行費用は1万G(ゴールド)だ」

「1万Gって事は銀貨1枚だな。……よし、これだ」

「確かに、これが仮証明書だ。ようこそイーリアへ」

「ありがとう。結構優しいな」

「仕事だしな。後、男に言われても嬉しく無い」

「まあ、それもそうか」


手続きを終えた所でソラ達は町の中でへと入る。

ちなみに、オリアントスは何故か硬貨の価値をソラの知識に入れていなかったため、道の途中で教えてもらっていた。一覧にすると……

銅貨→1G

鉄貨→100G

銀貨→1万G

金貨→100万G

白金貨→1000万G

水晶貨→1億G となる。

ただ、白金貨や水晶貨は国家や大商人くらいしか使わないようで、2人は見たことが無いらしい。


商業都市イーリアは綺麗な町だ。

大通りは全て石畳で、古い汚れは全く付いていない。多くが木製だが家も綺麗で、中世のヨーロッパのような汚さは一切無い。それどころか、江戸のように清潔感に溢れている。(当然ながら、ソラはどちらも話や絵でしか知らない)


「町がかなり綺麗なんだが……理由ってあるのか?」

「綺麗ってどういうこと?」

「俺のいた世界じゃあこれぐらいの時代だと、大半の町はゴミだらけで汚れていたらしいからな。それと比べると凄く綺麗なんだよ」

「これも疫病対策なのよ。大分昔に疫病が世界中で流行ったらしくてね、それからどんどん町の衛生環境を良くしていったそうよ」

「へぇ、ここもか。元の世界じゃあ変えようとはしてなかったから、この世界の人は綺麗好きなのか?」

「そんなことどうでも良いじゃん!早く行こうよ!」

「そうね、じゃあギルドに行きましょうか」

「そうだな、頼む」


3人は大通りを歩いて行く。暫くすると右側に白壁造りで、剣と杖の紋章の入った旗を掲げた建物を見つけた。


「あれがギルドか?」

「そうだよ。冒険者ギルドは全ての町に1ヶ所ずつあるの」

「さあ、早く入って報告とソラの冒険者登録をするわよ」

「そうだな」


3人は冒険者ギルドの中へ入って行く。するとすぐに声をかけられた。


「あ、おかえりなさい、ミリアさん、フリスさん」

「ただいま、ルーチェ。これ、依頼の討伐部位よ」

「はい、8つですね。……これが依頼の2000Gとゴブリン3体分の600Gです。ところで、そこの男性はどなたですか?」

「ああ、彼?名前はソラって言うんだけど、冒険者になりたくてこの町に来たそうよ。依頼の途中で会ったから、ここまで連れて来たの」

「初めまして、ソラです。冒険者登録をしたい「おい!そこのガキ!」……何だ、お前等?」


ソラが冒険者登録をしたいと言うと直ぐさま後ろから怒鳴られた。

振り返ってみると、いかにも感じの悪そうな6人組だ。


「おいおい、てめえみたいなヒョロ男が戦えるとでも思ってんのか?!」

「おとなしく家に帰れよ!」

「と言うか、隣に居るの例の女共じゃねえか!」

「そいつ等から離れろ!俺達の女だぞ!」


(……テンプレ過ぎるだろ……それにしても……)


「ミリア、フリス、こいつら知り合いか?」

「顔を知っている程度よ。最近この町に来たCランクパーティーね」

「わたし達に色々言ってるから困ってるの!」


(……ラノベの転生物とか召喚物でこういう奴らよく居るよな……テンプレ乙)


「だ、そうだが?」

「うるせぇ!魔王を倒すのは俺達だぞ!」

「おとなしく従ってろ!」

「従う道理なんて無いと思うんだが?」

「なめやがって!お前ら、やるぞ!」


(これ、地球でもやってたな……人数は倍だし、本物の武器持ちだけど。武器は両手斧(バトルアックス)2人に斧槍(ハルバード)2人、ゲームみたいなデカイ大剣1人に大槌(ハンマー)1人……脳筋ばかりか……)


ソラは襲って来た冒険者達を冷静に観察する。ちなみに後ろでは「わわわ、加勢しなくて良いんですか?」「大丈夫大丈夫」「ソラ君なら大丈夫だよ!」と、会話が交わされている。

ソラが冷静でいられる理由、それは……


「遅いな」

「がっ!」

「げふっ!」

「がはっ!」


全員が重い武器であり、しかもキレて大振りになっていることだ。ソラなら余裕で迎撃できる。

先ずソラは斧槍使い2人の横に入り込み、裏拳と肘鉄で倒す。ついでに奥に居た大槌使いの腹に蹴りを放ち、壁まで飛ばす。


「ほい、次」

「ごふっ!」

「げほっ!」


大槌使いを蹴った反動で体の向きを変え、両手斧使いの後ろへと回り込み、順に蹴り飛ばして受付カウンターと机に叩きつける。


「後はお前だけだが?」

「このクソ野郎が!」

「ふっ!」

「ぐはっ!」


最後の1人となった(ワザと残された)リーダーの大剣使いが、より大振りで攻撃してきたため、振り下ろされる前に回し蹴りを胴に放って入口横の壁に叩き込む。タイミングよく入って来た冒険者が、その音と光景に驚いて、戸惑ってしまったが。

全員派手にやられてはいるものの、ソラはちゃんと手加減をしていたため、死んではいないし、賠償が必要な損壊も無い。


「終わりか、それにしても弱いな。ミリアやフリスと同じCランクには思えないんだが、どうしてなんだ?」

「それはランクの上がり方に理由があります」

「どうしてですか、ルーチェさん?」

「ルーチェで良いですよ。あと、敬語は必要ありません。私達は使わないといけませんけどね。

それで理由ですが、B以上のランクに上がるためには一定度以上の実力を見せなければならないのです」

「簡単に言えば、Bやそれ以上のランクの魔獣を倒すとか?」

「はい、他にも幾つか方法はありますが、実力主義というのは同じです。ですが、Cランクまでなら依頼を受けた数や簡単な功績で上げられるのです」

「あんな奴らがCランクに居ることの方がおかしいのよ」

「ゴブリン3体にも苦戦してたよ」

「そうなのか。だが、ミリアとフリスの実力もCランクには合わないんじゃ無いか?」

「どういう事なの?」

「私達が弱いって言うの?」

「逆だ、逆。2人の実力ならBランクでもやっていけるだろうって事だ。ゴブリンを倒すのがあまりにも早かったからな」

「確かにそうですね。お2人はCランクの依頼も、殆どを無傷で素早く終わらせていますし」

「それはそうだけど……Bランクの魔獣が居ないと分からないのよね」

「でも、そういう強い魔獣はいない方が良いんだよ!」


こう話している間にさっきの6人組はギルドの奥へと連れていかれていった。ルーチェが言うところによると、ギルド内での私闘は禁止されているため、懲罰が待っているそうだ。ソラは正当防衛なので、お咎め無しだが。


「大分話が逸れたが、冒険者登録をしてもらっても良いか?」

「あ、分かりました。先ずは登録料の300Gをいただきます。それと、何か身分を証明する物はありますか?」

「分かった……はい、鉄貨3枚と、門の所で貰った仮証明書だ。」

「確かに。では、少しお待ち下さい」


こうしてソラは冒険者としての第2の人生(??)をスタートしたのであった。





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