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異世界成り上がり神話〜神への冒険〜  作者: ニコライ
第1章 異世界放浪記
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第1話 いきなり遭遇

早朝、ベフィアのとある森の中。


「ねぇねぇ、何でこっちに来てるの?」

「なんとなくよ。でも、私の勘は良く当たるでしょ?」

「そうだね〜何かあるかな?」


2人の少女が森の中を歩いている。周りは危険なので、普通ならこんなところに居てはいけないと言われるだろう。

しかし彼女達の内、1人は腰に双剣を差し軽装鎧を着ており、もう1人は長杖を持ちローブを着ている。

この場所に対する準備は万端だ。


「あ、あれ良いんじゃないかな?」

「そうね、やりましょ……って、え?」

「……なに、これ……?」


だがそんな少女達も、目の前の光景によって思考が停止した。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








地表から2mの地点に黒い穴が開く。


「うわぁぁーーーー!げふっ!」


その穴から、空が絶叫を上げながら落ちて来る。

かなり緩和されていたようだが、それでもスピードは大きいため、痛そうだ。


「イタタ……はぁ、酷い目にあっ……って、ん?」


起き上がった空が見たのは……









ゴブリンだ。

そうとしか言えない、全高1mの緑色の肌で棍棒を持った生物が5体、約5m先から空の方を見ている。


「えーと……ああ、ここは魔法有りのファンタジー世界なのか。ならゴブリンが居てもおかしく無い……ってこの展開はまさか!」

「ギャッギャッギャアー!」

「やっぱりかよ!」


オリアントスによって入れられた知識により、ゴブリンがいてもおかしく無いと考えた空だったが、その直後ゴブリン達が襲いかかって来た。

空もすぐさま立ち上がり、臨戦態勢をとる。


「先手必勝!」

「ギャッ!」

「もう一丁!」

「ギィ!」


空は先ず、1番左のゴブリンへ向かって踏み込み、右足を首へ向けて振り抜く。

そしてすぐさま地に着いた右足を軸にして回転し、後ろ回し蹴りを隣のゴブリンの首に叩きつける。これで2体は首が折れて死んだ。


「おらっ!」

「グギャッ!」

「次っ!」

「ギギャッ!」


左足が地面に着いた瞬間に右足を前へ伸ばし、こちらへと振り向いた真ん中のゴブリンの首に当てる。そのまま重心を移動させてゴブリンを倒し、首を踏み抜く。

その後同様に左足をもう1体のゴブリンの首に当てて倒し、首を折る。


「ラストッ!」

「ギィギャァ!」


最後に残ったゴブリンが右手の棍棒を振り上げつつこちらへと向かって来たので、右足での回し蹴りを首に叩き込み、振り抜く。

それを食らったゴブリンはサッカーボールのように飛んでいき、木に直撃して止まり、2度と動かなかった。


「よし、終わりだな。それにしても何か威力が上がってるよな……

まあ、良いか。それよりもそこの2人、いつまで止まってるんだ?」

「……はっ、今のは何?」

「……君って、何者……?」


空が振り返った先に居たのは2人の少女。

1人は肩までの金髪と金眼を持ち、青っぽい色の軽装鎧を着て腰に双剣を提げており、スレンダーで少し背が高めだ。

もう1人は腰までの銀髪と碧眼を持ち、濃い赤のローブを着て、手には彼女の背と同じくらいの長杖を持っている。かなりのグラマーで背は低めである。

印象は正反対の2人だが、仲は良さそうだ。そんな2人の目は空が今起こした光景に釘付けとなっている。


「俺か?俺の名前は小村空……いや、この世界ではソラか。貴族じゃ無いし、名字は駄目だよな」


そんな状況でも臆することなく空……いや、ソラは答えた。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








「……ってところだな」

「へぇ〜」

「そうなんだ」


ソラは落ち着いた2人に自分の事を一部話した。どうやら、穴から落ちたところから見られていたらしい。

ちなみに、双剣を持った少女はミリア、長杖を持った少女はフリスと言う名前だ。

同い年の幼馴染で、2人共冒険者だそうだ。


それと、2人から聞いた話だと、今のゴブリン(名前はそのままだった)5体を瞬殺することができる人は、この辺りの冒険者ではかなり上位に当たるとのことだ。彼女達も十分強いそうだが、2人でもあそこまでスムーズにはできないらしい。


(流石に神関連の事は言わない方が良いよな。どんな風に思われるか分から無いし)


「と言うことは、ソラ……あ、呼び方これで良い?」

「ああ、良いぞ。俺もミリアって呼び捨てで良いか?」

「もちろん良いわよ。それで、ソラは転生者なのね」

「そうなるのかな?」

「でも、不思議だよ?」

「どうしてなんだ?……っと、呼び方はフリスで良いか?」

「良いよ!わたしもソラ君って呼ばせてね!それでね、本とかに書いてある転生者って前世の記憶が殆ど無いらしいの。それに、普通に産まれて来るみたいだしね」

「ああ、そうなのか。俺は召喚でも混ざってるんだろうな。体はほぼそのままみたいだ」

「召喚ね……昔の勇者にも召喚者が居たらしいけど、ソラはどうなのかな?」

「流石に違うんじゃないか?召喚されたんだったら、普通は召喚された場所に居るだろ?」

「それもそうだよ。確か勇者の冒険譚にもそう書いてあったね」

「そんな物もあるんだな。それにしても、今の俺の服装がこの世界の物になってて、お金まであるってのはびっくりしたな」

「その点は良かったわね」


ソラの現在の服は、この世界で旅人が多く着ている物らしい。お金も小銭入れに銅貨が50枚、鉄貨が30枚、銀貨が10枚入っていた。


(恐らくはオリアントスがやったんだろうな。2人に聞いた限りじゃ、これだけあれば装備も含めて冒険者に十分なれるみたいだし。どうやら俺は戦った方が神への成長が早くなるらしいし、それが良いか)


「2人共、俺も冒険者になりたいんだが、案内してもらっても良いか?」

「どうして?」

「自分で金は稼いでおきたいからな。今ので少しは戦えるって分かったし」

「それもそうね。ああ、そこのゴブリンの右耳貰ってくわね」

「良いけど、何でだ?」

「わたし達、ゴブリンを倒す依頼を受けてたんだ!5体なら丁度なの」

「ああ、そういう事か。じゃあ、暫くの授業料として渡しておこうか」

「そういう事で貰っておくわ。ただし、授業は厳しいわよ?」

「ははっ、お手柔らかにお願いするよ」

「任せてよ!」


ソラはゴブリンを埋めた後、2人と共に森の中から近くの町へと歩いていった。





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