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異世界成り上がり神話〜神への冒険〜  作者: ニコライ
第0章 全ての始まり
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第0話 喚びだされて……

「よおよお兄ちゃん、ちょっと金貸してくんねえかな?」

「俺達今ヤバくてさ」

「ちゃんと後で返すからさ〜あ?」


とある夜、綺麗な桜並木の下に4人の男がいる。内3人は不良のようで、もう1人の少年からカツアゲをしようとしているらしい。


「はあ、こんなのに会うなんて運が悪いな。それにしても実力差(・・・)が分からないなんて残念な奴らだ」


だが、少年は素直に応じる気は無いようだ。それどころか喧嘩を売っている。

少年はどこにでもいそうな普通の見た目だ。黒目黒髪で背は175cm前後。太っているわけでも無く、痩せ過ぎているわけでも無く、筋肉質でも無い。

この状況は不安だろう、他の人物ならば。


「ああ⁈何ふざけた事言ってんだ⁈」

「今の状況分かってんのか⁉︎」


ちなみに不良3人はそれぞれ手に木刀・釘バット・メリケンサックを持っている。


「てめえら、やっちまえ!」


ヤクザの三下の様なセリフと同時に左右に居た木刀とメリケンサックの男2人が少年に迫る。

しかし……


「ふっ!」

「ごはっ!」


思いっきり木刀を振り上げた男の腹に蹴りを放ち、踵を鳩尾に打ち込む。

そのまま木刀の男は倒れた。


「てんめぇ!」

「おらよっと!」

「げはっ!」


その隙にメリケンサックの男がフック気味のパンチを繰り出して来たが、少年は右手を拳の外側に当てていなし、左足を前に出して足払いをしつつ相手の後方に移動した後、掌底を背中に当て、地面へと叩きつける。

メリケンサックの男はそのまま気絶した。


「さて、お前はどうする?」

「な、何なんだよ、お前……」

「俺か?少し空手をやってるだけの普通の男だぞ?それよりも、お前はどうするんだ?」

「くそったれがー!」


錯乱しかけの状態で釘バットを振り上げるリーダーらしき男。

しかし……


「甘い!」

「がはっ!」


少年は男の懐へと入り込み、膝蹴りを食らわせる。それだけでリーダーも終わった。


「弱いな。えーと、警察はどうしようか?……面倒だし置いておけば良いか」


少年はそのまま桜並木の中を歩き出す。


『やはりこいつが良いな』

「ん?何……がっ……」


しかし、謎の声が聞こえたと思ったら急に後ろからワゴン車にはねられた。

さらに体は反対車線の方へと飛んでいっており、トラックとの衝突コースだ。


『ふふっ、我が願いの為に犠牲になってもらうぞ!』


少年は何もできずに飛んでいく。すぐ目の前にはトラックが迫っていた。


(何で……)


少年は走馬灯を見つつ、トラックにはねられて……







死んだ。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー









ーー….き…ーー


(何だろうこの感じは……)


ーー……きろーー


(誰かが声をかけてるな……)


ーー起きろーー


(それにしても、さっきまで何やってたんだ……?)


「起きろ、少年!」

「は、はいっ!……って、は?」

「起きたか、少年……いや、小村(こむら)(そら)よ」


少年ーー小村空ーーが目覚めたのは、西洋の城の玉座の間らしき部屋の中央辺りだ。そして玉座らしき豪華な椅子には、見た目20代ぐらいの銀髪金眼の男が座っている。


「えっと……とりあえず此処は何処……って、俺ひかれたんだったよな……死んだのか……

ん?……そういえばこの声……ってまさか!」

「その通り、あの時の声は私だ。そしてお前はあの世界では死んだぞ」

「お前……ふざけガッ!」

「はぁ、血の気が多いな」


空が男に殴りかかろうとした瞬間、空の体は地面に抑えこまれた。

その体には何も乗っていない。


「な、何を……」

「幾ら神に近いとはいえど所詮は人か。神気を使えば簡単に抑えられるな」

「神……だと……?」

「ああ、私はこの世界ベフィアに残った唯一の神であり、武と魔法と武器の神、オリアントスだ。」


男ーーオリアントスーーがそう答えると同時に空にかかっていた力が無くなる。

流石に空はもう抵抗しないようだが。


「復讐は無理か、クソッ……それで、俺に何の用だ?」

「物騒だな。まあいい、私がお前をここに喚んだのは神になってもらうためだ」

「俺が神に?できるのか?」

「お前なら上級神にもなれるぞ。そのために多くの世界の中から選び出したのだからな」

「そんな才能があったのか。だが……理由は?普通ならこんな事しなくてもいいだろ?」

「理由か。それは……









引退し(サボり)たいからだ!!」

「……………はぁ⁈」


(……神がこんなので良いのかよ……それよりも何でこんなのだけが残った……)


「1つの世界には最低でも1柱は上級神がいなければならないからな。残ってるのが私だけだから他の世界に行けないんだよ。

そう言うわけだから、お前には上級神になってもらうぞ?」

「……そんな理由で俺を殺したのか……?」

「ああそうだ。他の世界への干渉は結構大変なんだぞ?」

「あの世界に神っていないのかよ……」

「いや、いるぞ。まあ、バレないようにやったけどな」

「無駄な努力を……まあいい、やってやる」

「本当か?じゃあさっそ「ただし」……何だ?」

「俺が神になった時、覚悟しておけ?」

「強気だな……良いだろう、相手してやる」


互いに鋭い視線をぶつける1人と1柱。先程の事が無ければ、すぐさま戦っていただろう。それだけ空も苛立っていた。


「じゃあ、一般人程度の知識は頭に入れて……幾らか物を持たせて……神気も扱えるようにして……神関連の知識も持たせて……よし、行ってこい!」

「え?ってちょっ!」


オリアントスがそう言ったのと同時に、空の足下に穴が開く。


「ふざけるなー!」

「捨て台詞お疲れ様」


そのまま空は落ちていった。





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