第12話 王都ハウル①
「観光しましょ?」
翌朝、宿で朝食を摂っていると、ミリアがいきなり提案した。
「開口一番がそれか。まあ、俺は良いけど?」
「私も良いよ〜」
「じゃあ、宿の人にオススメを聞いてくるから、待っててね」
「ミリアは観光が好きなのか?」
「そうみたいだね」
本人は気付いていないだろうが、スキップしていくミリアを見た2人。恐らく、他の町でも付き合わされるのだろうと、感じていた。
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「うわぁ〜」
「これはまた……」
「凄いわね」
ソラ達が最初にやって来たのは、王城の近くに聳え立つ荘厳な神殿だ。
基本は白い石で出来ていて、地球でいう所のパルテノン神殿に壁をつけたような感じの拝礼場と、キリスト教の教会のような建物がある。所々に金銀や布などで装飾が施されており、元の白が映えて綺麗だ。
「流石王都。イーリアとは規模が違うな」
「言い方は悪いかもしれないけど、お金があるからね」
「王家の人達も寄付してたはずだよ」
3人がこうして見ている間にも、多くの人が神殿を訪れ、寄付もしていく。
やってくる人には貴賤貧富の別が無く、誰しも神の前では同じ、と考えているようだ。
「折角来たんだし、お祈りくらいして行かないか?」
「そうね。教徒以外は追い出すような所じゃないしね」
「じゃあ、行こっか」
(といっても、祈る価値のある神様なんて、もうこの世界にはいないんだけどな)
1柱を残して全ての神がいなくなり、その残った1柱もサボりという世界では、祈る相手がいない。
この場にいる人の中で、真実を知っている唯一の人物であろうソラは、心の中でため息を吐いた。
「へえ、あれが」
「そうよ。この世界の創造神と主神の像ね」
「夫婦神なんだよね」
拝礼場へ入ったソラ達の目の前に現れた2つの像。それが夫の創造神タウルガントと妻の主神メルリリーナの夫婦神像だ。
タウルガントは見た目30代のシブメン、一部の人にはダンディなオジサマと呼ばれそうな顔である。背は2m近いだろう。
メルリリーナは見た目20代、ボンキュッボンのお姉さま風であり、男性からの人気は高そうだ。
「内装も良い感じだな」
「そうね、こんな風になってるなんて思わなかったわ」
「綺麗だよね」
正面だけでなく側面にも、ステンドグラスが幾つも填められていて、荘厳な雰囲気を出すのに役立っている。
中央と両端を空けるようにして置いてある椅子や机にも、金糸や宝石などの装飾が下品に見えない程度に施されていて、華美だ。
そんな内装に見惚れた3人へと近づく、1人の修道女がいた。
「そちらの御三方様、こちらでの拝礼は初めてですか?」
「あ、はい。初めてです」
「では、ご案内をさせていただいてもよろしいでしょうか?あ、申し遅れました。私はここ王都ハウルの神殿で修道女をしております、クリミと申します」
「自分はソラです。こっちはミリアとフリス、3人で冒険者をしています」
「最近の他の冒険者の方と違って礼儀正しいのですね。商人の方みたいです」
「私達2人の実家は商家なんです。ソラは農家の息子ですけどね」
「そうなのですか。ところで、皆さんの御関係は?」
「期待しているような関係じゃないですよ。自分が町に出てきた時、最初に会ったのがこの2人だったんです。そこから、パーティーを組んで旅をする事になったんですけどね」
「ですが、そういう関係になる人達も多いですよ?内心、狙っているのではありませんか?」
「ソ、ソラ君⁈どうなの⁈」
「落ち着け、フリス。気があったとしても、俺が変な事をするように見えるか?」
「まあ、無いわね。気があったとしても、自分からは動かないかも」
「……軽く酷くないか?」
「仲がよろしいのですね。あ、申し訳ありません、横道に逸れましたね。では御案内致しますので、こちらにどうぞ」
話しかけてきた修道女のクリミは、修道服のせいで分かりにくいが、見た目20代で青眼だ。
彼女の案内の元、3人は拝礼場の中央の道を進んでいく。
「左右の壁には神話の絵が飾られています。ここの拝礼場には大小合わせて40枚もの絵があるのですよ」
「どんな所が描かれてるの?」
「そうですね……ここの拝礼場の場合は創世の場面が多いです。本山にはもっとありますけどね」
「本山って……光都ニーベルングのこと?」
「そうですよ。私は見た事はありませんが、先輩の話だと500枚を超えているとか」
「流石、多いですね。ところで、天井の絵は何なのですか?」
「あちらは、神族の方々の集合絵です。丁度神話の第1章の終わり辺りで、タウルガント様とメルリリーア様が我が子に囲まれた場面ですね」
「大きいわね」
「だね〜」
天井の絵には、100柱近い神が描かれている。中心はタウルガントとメルリリーアで、その周りを子、孫の神が囲い、更に外をそれ以外の神が囲うという構成になっている。
この絵だとタウルガントはよりハンサムで、メルリリーアはより美女となっている。だが、実際は……
(見た目はどっちも10歳なんだよな……子供だって力を掛け合わせて作り出しただけらしいし……)
2柱の8男坊であるオリアントスの入れた知識によると、タウルガントは蒼髪翠眼の子供、メルリリーアは赤髪紅眼の幼女だそうだ。
一応、この2柱は大人の姿へなる事も出来る。しかし……
(下界に降りてきてたのは子供達だけらしいし……間違われたのは次男夫妻みたいだな……)
そんなソラの心情を知らず、他の3人は和気藹々と会話している。
案内は拝礼場だけでなく、相談や神殿の仕事の中心の場であるだけでなく、神官や修道女の住居である教会風の建物へも及んでいた。
「気になったんですけど、神官や修道女の人達って、魔法も使うんですか?すれ違う人の中にメイスや杖を下げた人も居るんですけど」
「ええ、主に回復魔法や結界、光属性の破邪魔法などを使いますね。他には……聖水を作る為にも使います」
「聖水ですか?」
「ご存知ありませんか?神の御加護を受けた水なのですが、アンデットなどの邪なる存在を滅する力を持っています。結界の触媒にする方もいますね」
「そうですか。ちなみに、どのように作っているかご存知ですか?」
「光属性の魔法を熟練した方々が特殊な術を行使する、という事しか分かりませんね。作る場面も秘密で、見ることは出来ませんし」
「そうなんですか。ありがとうございます」
「聖水か〜あれ高いんだよね〜」
「効果は高いらしいけど……私達には必要無かったからね」
たわいない会話をしながら周り、見学可能区域を巡り終わったソラ達は、神殿の正面にやって来た。
「今日はありがとうございました」
「いえいえ、皆様を案内するのも仕事ですので」
「楽しかったよ〜」
「話も面白かったしね」
「そう言って貰えれば幸いです」
「そういえば、寄付は何処でやれば?」
「私が持っていけば良いのですが……」
「ではこれを」
「私からも、どうぞ」
「わたしも〜」
「……こんなに良いのですか?」
「稼いでますから。では、これで」
「さようなら」
「じゃあね〜」
神殿の案内に満足した3人は、固まったままのクリミを放置したまま、昼の王都へと駆けていった。
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「おいおいおい、どんだけあるんだよ……」
「前と同じで多いわね」
「美味しそ〜」
昼時、イーリアのものよりも広い大通りには、数多くの出店や屋台がある。
「えーと、アメリカンドッグにホットドッグ、ハンバーガーとフライドポテト……(アメリカかよ……)」
「……結構見た目が茶色いわね」
「(もぐもぐもく)」
「……もう食べてるし……」
「ソラ、もうちょっと向こうに行きましょう」
「そうだな」
茶色だらけの場所から離れ、少し歩くと、カラフルな食べ物を売っている場所へとやってきた。
「この辺にするか……そうだな……お、ここの店が良いかな?」
「そこは……クレープ?」
「クレープの生地で、野菜や肉を巻いた物みたいだな。デザート系も普通にあるみたいだけど」
「へえー。じゃあ、私もここにするわ。色々あって面白そうだしね」
「わたしも欲しいー!」
「分かった分かった、買うから待ってろ」
ソラが見つけた店には、円形の鉄板と多種多様な具材が置いてある。出ている看板には食事・デザート含めて、約50種類のメニューが書いてあった。
「で、何を幾つ欲しい?」
「取り敢えず2つね。ソラが選んでよ」
「わたしも〜」
「了解、それじゃあ……これとこれ……後これも……ふう、お待たせ」
「早いね。それで、何を買ってきたの?」
「具材は、生ハムとレタス、ベーコンとチーズとレタス、卵とネギ、ソーセージと千切りキャベツ、塩漬け魚と大根と生姜、煮豆と昆布とカブの6種だな。ソースはそれぞれ違うみたいだそ。それで、どれが良い?」
「じゃあ私は……生ハムと卵をお願い」
「わたしはベーコンとソーセージね〜」
「はい、それじゃあ俺は魚と煮豆……ワザとか?」
「え?……ああ、変な組み合わせになったわね」
「頑張れ〜」
「ちゃんとした売り物だから、おかしな味じゃ無いとは思うけど……はあ」
ソラが持って来たクレープ6つを分け、屋台の間の開けた所に移動した3人。
最初にミリアは生ハム、フリスはソーセージ、ソラは魚を食べる。
「美味しいわね」
「こっちもだよ〜」
「意外といけるな」
ミリア、フリスのクレープはそれぞれサンドイッチとホットドッグを元にしたような物の為、普通に美味しい。ソラのクレープには、半生の様な状態の塩漬け魚に大根と生姜の細切りを合わせ、魚醤をベースとしたソースがかかっている。和に近いテイストなので、ソラには嬉しい物だ。
大満足の3人は、もう1つも直ぐに食べてしまった。
「やっぱり足りないか」
「じゃあ、もっと色んなのを買おうよ」
「どうせフリスが食べたいだけでしょ?」
「バレた?」
「まあ良いさ、俺も色々欲しいしな」
3人は通りを歩きつつ、様々な物を買って食べていた。そんな中、ソラが1つの店を見つける。
「ん?あれは……」
「どうしたの、ソラ?」
「いや、珍しい物を見たな、と思ってさ」
「あのお店って……アイスだよね?」
ソラの視線の先にある店には、大きな金属製の樽があり、店員らしき男は1.5m程の金属製の棒を持っている。
看板にはコーンアイスと書かれていた。
「今日は暖かいし、私買うわ」
「そうか、気を付けろよ」
「何の事?」
ミリアが近づいていって注文をすると、店員の男は棒を樽の中へ入れてかき混ぜ、棒にアイスを付けたままコーンに乗せて、ミリアへと差し出す。
「ほい嬢ちゃん、どうぞ」
「ありがと……」
ミリアが受け取ろうとした瞬間、男は棒を半回転させたため、ミリアの手は空を切る。
「ちょっと⁈」
「ははは、嬢ちゃん、引っかかったな」
「くうー、この!この!」
「はっは、そりゃ!そりゃ!」
ミリアはヤケになって取ろうとするが、男は慣れた手つきであしらっていく。棒を回転させるだけでなく、棒そのものを動かしたり、コーンは取らせてアイスを回収するなどやりたい放題である。
暫く経つと、男は素直にアイスを渡した。
「毎度ありー!」
「何よあれ!」
「やっぱりやられたな」
「ソラ君、知ってるの?」
「ああ、前の世界じゃあトルコアイスって呼ばれていた物だ。本場じゃどうか知らないが、俺の地元に有った店は客で遊ぶんだよ」
「今のみたいに?」
「あそこまではしゃぐのは珍しいけどな」
「子供っぽくて悪かったわね」
「いやいや、そんな事言ってないから」
「これ美味しいわね」
その後暫くの間は、ミリアはソラの言葉を無視して、トルコアイスに夢中になっていた。
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「凄いな、本の壁だ」
「欲しい本、見つけるのに苦労するわよね……」
「それなら、あそこに書いてあるみたいだよ」
ここは王城の側にある図書館だ。一般人は入館に100Gかかる上に、1階部分しか見て回れないのだが、その部分だけでも本は1000冊を超えているだろう。
「ベフィアについての本は……こっちか」
「どの本にする?」
「そうだな……一度に全体を見れるやつかな?」
「じゃあこれね」
「お、ありがとう」
ミリアが見つけたのは、比較的薄めで大きい本。開くと、1番始めのページにベフィアの全体図が載っている。
「今いるのはここ、南の国オルセクト王国の王都ね。」
「中心から少し南なんだよ。この国の北東にあるのがゴリアル帝国で、北西にあるのがエクロシア共和国なんだ」
「共和国?大統領がいるのか?」
「そうらしいわよ。貴族同士が選挙とかいうので選ぶんだってさ」
「貴族同士か……流石に民衆は無理なんだな」
「駄目なの?」
「元いた世界じゃ、普通は住民全員だったからな」
ベフィアには1つしか大陸が存在しておらず、現在この地は3つの国によって治められている。
なお、どの国の支配も及んでいない領域は……
「それで、帝国と共和国の北にあるのが……」
「魔王の領域よ。元々はソルムニア王国って名前だったらしいけど」
「魔王が王都の直ぐ側に生まれたらしくてね、抑えきれ無かったんだって」
「今は帝国と共和国が、境界線近くに砦を沢山築いて、進行を止めているそうよ」
「均衡が20年か……長過ぎるよな……」
ソルムニア王都の王都ルーマは今から70年前に落ち、それから50年かけて魔王は領域を広げていった。
オルセクト王国の支援を受けたゴリアル帝国とエクロシア共和国は元ソルムニア王国内に砦を築き、領域の拡大を阻止している。
それが20年間、互いに攻めきれずに争いは続いているのだ。
「ま、全体はこんなところで良いか。次は地域ごとで調べるぞ」
「行きたい場所を決めるの?」
「そういう事だ。それが終わったら魔獣関連かな?」
「そうね、私達が知ってる魔獣としか会わないなんてあり得ないんだし」
「じゃあ、わたしが持ってくるね〜」
「よろしく、こっちもこっちで調べてるからな」
時間をかけ、3人は旅の為の知識を蓄えていった。
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「あー、完全に日は落ちてるな」
「あれだけ調べてたからね〜」
「普通は、たったこれだけの時間じゃ終わらないわよ」
夜、図書館からの帰り道。時折道を間違えつつも宿への道を歩いていく3人。
「それにしても明るいな」
「イーリアよりも多いわよね」
「流石王都だね」
道の両側には高さ2.5m程の棒が立っており、その上にはガラスで囲まれた光る何かが納められている。
「確か、電光石……だったか?」
「そうよ。魔水晶と合わせて使えば、灯りになるわ」
「魔水晶はダンジョンで取れる物だったよな?」
「そうだよ。ダンジョンの中の魔獣を倒すと、時々出て来るの。宝箱の中にある事もあるらしいけどね」
「魔水晶は魔法具とかに必要だから、高値で買い取ってくれるのよ。安定して取れれば、普通に依頼を受けるよりも楽ね」
電光石を使った街灯により明るい通りを歩いていく3人。ダンジョンで取れる魔水晶にも話が及んだが、売買等が本格的に問題となるのは出てきてからとなる。
そのまま通りを歩いていくと、ソラ達は他とは比べ物にならない程の明かりに照らされた建物を見つけた。
「ん?ここは?」
「ここは……カジノよね?」
「行きたいの?」
「今日は遅いし、明日かな?朝からやってるみたいだし」
「私は見てるだけにするわ。そんなに強くないし」
「わたしもそうする〜ソラ君がどれ位か見てたいし」
「ま、程々で止めておくさ」
そのまま、3人は宿へと帰っていった。
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「フハハハ!大勝利だー!」
「ブラックジャックが強過ぎよ。ディーラーの人が涙目だったじゃない」
「最初にチップに変えたのが……2万Gだったっけ?」
翌日、カジノで15倍という大勝をしたソラは、2人を連れてカジノ近くの酒場へとやってきた。
「そうだな。元が多かっただけ、得た物も多いんだが」
「30万ってね……Cランクの依頼何個分よ」
「わたし達でも3日分以上だよね〜」
見せびらかすように机に置かれた数枚の銀貨。時々ソラは片手でそれを使って遊んでいた。
「それにしても、エールも結構美味いんだな」
「マーヤさんの仕入れてたワインも美味しかったけど、これもなかなかよね」
「ミリちゃんも大分呑んでるよね」
「また潰れるなよ」
「潰れてるのは私だけじゃないでしょ!」
3人はビールの一種であるエールを片手に、机の上にある10種類程の料理を摘まんでいる。
そんな和気藹々とした3人に対し、近づいて行く人影があった。
「そこの嬢ちゃん達、俺らと一緒に呑まねえか?」
「そんな男なんか置いといてさあー」
「イイ事してあげるよー」
酔っ払った冒険者風の男が3人、ミリアとフリスへ声をかける。男達は武器等は何も持たず、ビールのジョッキを掲げるだけだ。
「……ウザいわね」
「……どうする?」
「無視だろ無視。相手するだけ無駄だ」
「何言ってんだよ坊主?お前に用は無いんだよ」
喧嘩腰の男達を、店内の他の客や従業員は冷ややかな目で見ている。
そんな事にも気付かず、次々と言葉をまくし立てているため、ソラも我慢が出来なくなってきた。
「あ〜、面倒なんでやっちゃって良いですか?」
「自分で無視って言ってたじゃないの」
「こうなったら無視じゃ終わらせられないしな」
「ああ?何ほざいてるんだよ、テメエ⁈」
ソラが声をかけた先に居たのは、この店の店主だ。頷き返されたのを確認したソラは男達へと向き返る。
「さて、覚悟は良いか?」
「何言って……」
「終わりだ」
ソラは右から順に回し蹴り、突き、回転からの手刀を食らわせ、意識を刈り取る。その後、男達を外へと投げ捨てた。
「流石、早いわね」
「凄いよね〜」
「酔っ払いなんだ。魔獣なんかよりも圧倒的に楽だよ」
「凄えな、兄ちゃん。ところで、俺とこっちで勝負してみないか?」
「ビール……つまり大呑みか」
「そういう事だ。賭け金は1万Gでな」
「それで良いぞ。ミリア、フリス、酔い潰れた時は頼めるか?」
「良いよ〜」
「そうなったら私達にも1万Gだからね」
「はいはい。じゃ、やろうか」
「せいぜい情けない姿を晒しとけ!」
当然ながら、この勝負はソラの圧勝で終わった。
後日……
「なんだよ、あの化物……」
「あの日だけでどれだけ呑んでたんだよ……」
「俺のカジノでの稼ぎが……」
自棄酒をする1人の男の姿が、舞台となった酒場にあった。




