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2-3

誰だよ週一投稿とか言ってたのは

少し更新頻度落とします

 小一時間ほどして蓬と弓月が連れ立って部屋に戻ってきた。

「朔君決まった?」

「ああ、お前たちと一緒に行動するよ。その方が安全そうだしな。妹を捜したいっていう気持ちもあるんだけどさ」

「妹がいたの?一人っ子ぽい性格みたいだけど」

「いろいろあるんだよ。……サブカルによくある義理とかじゃないからな」

「そんなのはどうでもいい。蓬さん、そろそろ移動しないと」

「そうね、ここもその内ばれるだろうから」

 蓬が俺にリュックと拳銃を渡してくる。

「これ、とりあえずの着替えと君の分の食糧が入ってるから大事にしてよ。それとこれ、気休め程度に持っておいて」

 拳銃を持って茫然としていると

「持ってるだけでいいから。使おうとは思わないで、その内使い方もちゃんと教えるから」

 蓬はそう言ってリュックの中にしまってしまった


「目的地は連盟本部、ここから北に上っていきます」

「交通機関は麻痺してるし、幹線道路も寸断されてるだろうから。三日ぐらいは掛かるんじゃないかな」

「もう出るのか?」

 いまから三日間歩き通すというのか。


「そうだよ。でもその前にちょっと後始末しなくちゃ」

「そうですね。すぐに終わります、ここで待っていてください」


「おい、どういう意味だ」

 俺に答えることなく二人は部屋から出ていこうとする。

「祝福あれ」

 弓月がそう呟くと刃が外側に付いた鎌が虚空から現れた。

 鎌を持った弓月からは、人が理解してはいけない何かを感じる。

「もしかして怯えてる?」

 蓬が聞いてくるが答えることが出来ない。俺では到底理解しきれない、弓月が持つ何かに飲み込まれそうだったから。

 弓月は蓬に「これそんなに怖い?」と聞いているが蓬は平気そうな顔をしている。

 お前たちはどういう神経をしているんだ。

 弓月が先に部屋から出ていく。蓬が俺に振り向き、

「ちょっと待ってて、外に連盟の人間がいるみたいだから片付けてくる」

 と言って弓月の後を追う。


 二人がいなくなった途端に、座り込んでしまう。

 なんだったんだ、アレは。

 アレが神の祝福だというのか。あんな終末しか感じられないものが。

 どうして蓬は平気な顔をしていられるんだ。


 外から音が聞こえてくる。窓からこっそり覗いてみると弓月が鎌を振るうたびに男たちが倒れこんでいる。

 倒れた男たちはピクリともしない。まさか死んでいるのか。

 そう思っても弓月への悪感情が浮かんでこない。自分がおかしくなってしまったのかと思う。


 蓬は倒れた男たちに弾を撃ち込んでいる。

 血が飛んでいる筈なのに、蓬へもなんら嫌悪感が湧いてこない。



 本当に俺はおかしくなってしまったようだ。

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