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図書館司書の悪夢

シュリエラは常に睡眠不足状態だ。

睡眠薬、催眠、魔法。

日常生活に害を及ぼすほど酷いそれを本人も熟知しており、何とか改善しようとした。

しかし、そもそも催眠や魔法は効きにくい体質である上に、睡眠薬は服用しすぎて効き目が薄れてきている。

唯一まともに眠れる手段としては、信頼の置ける誰かと同じ空間に居ることなのだが、シュリエラには信頼できる人が少ない。

おまけに皆忙しい人ばかりなので、どうしても一人で寝る必要があった。


図書館横のある程度生活できるよう整えられた自室。

シュリエラの眠気は限界まできていた。

ついに、シュリエラはそっと目を閉じた。



ずくり。

胃の底から、ドロリとした何かが溢れ出る。

踞り、全身に力を込めて溢れるそれを止めようとするが、構わず流れ出す。


それは黒い影のようなものだった。

必死に留めているお陰か多少は避けているものの、染みだした影はシュリエラにまとわりつく。シュリエラを押し潰さんとして、のしかかる。

息が詰まる。

肋骨が、背骨が、ミシミシ音をたてて悲鳴を上げる。

痛い痛い痛い痛い!!


堪らず、シュリエラは大声を上げた。


―――パチリ。

シュリエラは目を開く。

時計を見ると、意識を失う前から30分経っているかどうかという時間しか経っていなかった。


ぼんやり天井を見つめる。


体の奥にまだ黒い影が渦巻いてる感覚が残っている。


原因も解決法も分からない、謎の症状。

王宮の気位の高い医者が解決しようと手を挙げてくれる訳でもない。調べても、何も出てこない。


「狂っちまいそうだよなぁ……。」


冗談めかして言ったものの、声は弱々しかった。



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