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ジャイアントロボと力道山

93年度のトーナメントは、前回の覇者ドールマンと準優勝のフライがシードとなり、総勢14名の参戦となった。


前田の一回戦の対戦相手は、ブルガリアのソテル・ゴチェフ。

フリースタイルレスリングでブルガリア選手権三連覇。国情によりバルセロナ五輪に出場できず、「幻の五輪代表」とまで言われる程の実力者。

グラウンドコントロールに定評を持ち、体格も似ているため、復帰戦にはうってつけである。


試合は、ゴチェフのレスリングにやや翻弄されつつも、最後はグラウンドでバックをとって逆片海老固めで、復活の凱歌をあげた。


このトーナメントの優勝候補は、シードの二人にハンや前田。そこに他のオランダ勢がどう絡むかだった。


だが、二回戦でその展望は砕け散った。



それをやってのけたのが、グルジアの極真空手家・ビターゼ・タリエルである。

前田が初めて見たとき「ジャイアントロボかと思った」というほどの巨漢の空手家。今は亡きアンディ・フグと91年の極真世界大会にて対戦したという経歴をもつ。


この試合、優位に運んでいたのはフライ。二度のダウンを奪い、グラウンドでも無知のタリエル相手に有利に展開したが、試合開始から5分たとうかというときに……


「グヤァッ」


フライの断末魔が響いた。


タリエルの縦拳が、フライの鳩尾に風穴を開けたのだ。


さらに二回戦では、この年のリングスを引っ張ったハンも散った。


破ったのは、同じロシアのニコライ・ズーエフ。ロシアはエカテリンブルグでサンボの指導者として活動し、かの地では力道山クラスの人気を誇る。ジャパン勢の若手達にもコーチするために来日したことがある。


ハン、コピィロフと同様、ズーエフもまた超一流のサンビスト。一、二回戦でそのふたりを破り、ロシア勢の奥深さと底力を見せ付けたのである。その後、準決勝では番狂わせを起こしたタリエルとズーエフが対戦し、タリエルがズーエフをドクターストップに葬り、一方で前田はドールマンにリベンジし、決勝は前田対タリエルという、予想外の組み合わせとなった。

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