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* 唱 ***
―――――私の名を、彼が呼ぶ。
だけど私は、もう彼を見ない。
……見たく、なかった。
この身を戒め、縛りつけるのは、彼が放った―――――――白銀の帯。
何故?
どうして、貴方は私を止めるの?
あの子の方がいい?
あの子と一緒に居たい?
貴方も、他の皆と同じだった?
……貴方も、あの子を愛していたの?
背に当たる、冷たい石。
この先、この石碑が私を縛り続けるのでしょう。
白銀の鎖が、私の枷となるのでしょう。
「―――――――許さない……」
許しはしない。
あの子を。
そして、……貴方を。
最期の瞬間、彼を見た。
彼は―――――――……、