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トワの奏弦士  作者: 苫古。
◆第2章◆ 謳の悪夢
27/57

* 歌 ***

 大切なものを見つけた。

 愛すべきものを見つけた。

 それは、花ではなかったけれど。





 澄んだ青いファレンテ。

 金糸雀色のコラリス。

 薄桃のマーシャル。

 深紅のラティカナ。


 そして――――純白のレイファーナ。



 私に与えられた名の花。

 私が一番、好きな花。





 咲き乱れる春の園。

 彼は駆け寄った私の髪をすくい上げ、白い花を一輪そっと挿し、日差しのように微笑んでくれた。

 誰よりも優しいその微笑が、私の胸にも花を咲かす。


 それは、花園で咲き誇るどんな花よりも甘やかで。

 それが、いままで目にしてきたどんな花よりも愛おしくて。



 彼が私を抱き寄せて、甘く耳元で囁く。

 

 ―――――僕の白い花(レイファーナ)、と。









 愛すべきものに出会えた。

 それは花ではなかったけれど。

 もっと、もっと、愛することのできるもの。

 ――――……やっと。


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