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夏休みに直前で


 佳織さんとの考査ウィークの間の勉強は、あれ以来事も無くする事が出来た。そして迎えた学期末考査。この期間中は佳織さんとは会わない。


 その日の考査が終えると直ぐに家に帰り翌日の考査対象の科目を勉強した。自分でもやっていた上に佳織さんともやった範囲。

それを更に見直すのだからもう考え込む問題はない。覚えないといけない所は全部言える。


 土日を挟んで火曜までの考査が終了したが、翌日は模試、どの大学が合格圏内なのかを知る為にも重要だ。


 模試の翌日は普通授業だ。例によって鷹司さんは、朝一番の挨拶と昼食の時一緒に食べる以外は、特に俺に接して来る事もなく、平穏に過ごしている。



 その週末の土日は、佳織さんと会った。土曜日は、夏休みの予定を細かく立てる事だ。場所は何故か俺の家のリビング。考査ウィークで来慣れてしまったらしい。


「祐也さんの個人の予定を先に行って下さい」

「俺個人としては、夏休みの宿題を七月中に片付けて、その後、上野や小山内とプールに行きたい。

お母さんと一緒にお父さんの墓参りに行って、その時中務のお爺ちゃんの所に寄って来る。今回は多分一泊、いや二泊見ておく」

「そうですか。夏休みの宿題は一緒に致しましょう。私はそれ以外入っていません。だから祐也さんと約束通り、海と山に行きたいです」

「塾の夏休み特訓行きたかったけど、これじゃあ厳しいね」

「仕方ないです。秋のコースから頑張りましょう。ところで海と山ですが、藤原家の別荘で宜しいですね?」

「うーん、高校生二人じゃ宿泊予約出来ないしね」

「そんな事有りませんよ。お父様に頼めば二人きりで泊れますよ」

 何故か佳織さんが色っぽく見えた。気の所為か?


「い、いや。やっぱり藤原家の別荘にしましょう。仕えの方が一緒にいるし」

「そうですか。残念です。では日付を決めましょうか。上野さんと小山内さんのプール先に決めないといけませんね。琴吹とは一年ぶりです。楽しみです」

 何故か佳織さんも一緒に行く予定になっている。


「駄目ですか?」

「…一緒に行きましょう」



 翌日の日曜日は、都立中央図書館に行ったけど、勉強よりも五階のレストランで話をしている時間の方が多かった。まあ、考査と模試終りの休憩という事で。


 そして、翌日月曜日。学期末考査の発表が有った。


「あっ」

「葛城やったな」

「ああ、でも鷹司さんも同一位だ」


 俺と鷹司さんは、満点の一位。しかし彼女も凄い。

「葛城君、同位だけどお互い抜く事は出来なかったようね」

「そうですね」

 彼女はそれだけ言うと教室に戻った。前だったら、何か色々言って来たのに。やはりはっきりと言ったのが効いている様だ。


 祐也が一位。私も頑張って十五位まで戻した。でも届かない。これでは同じ大学に行くのは無理かもしれない。それでも諦めない。一パーセントの望みが残っている事を希望に持って頑張るんだ。


今日から終業式まで午前中授業に切り替わる。もう学食で食べる事もない。鷹司さん共食べる事はないだろう。


教室に戻りながら

「上野、今年プールはいつ行こうか」

「そうだな。小山内には聞かないといけないけど、三人で行ける高校生最後の年だものな」

「楽しみにしているよ。でもこれ教室で話すのは止そう」

「勿論だ。ところでさ、藤原さん来るのかな?」

「本人は来たがっている」


「えっ、どういう事?葛城、藤原さんと付き合っているの?」

「まあ、色々と有ってそうなった」

「羨ましい、あんな凄く可愛くて美人でスタイルがいい人と付き合えるなんて」

「そ、そうか」


 上野は事情を知らないからそう見えても仕方ないな。



 私は、一か月間、葛城君と会えなくなることに危機感を覚えていた。今迄は私が彼と同じ学校にいたから藤原佳織より優位だったけど、夏休みになれば、間違いなくあの二人は距離を詰める。不味いです。


 ここまで思ったほど彼との距離を詰められなかったのは、藤原佳織が居たから。そして祐也さんは彼女と付き合っているとはっきり言っている。本当に不味いです。


 もし、このまま裕也さんと何も無ければ、私は大学卒業と同時に家の為にどこかの企業の人間と結婚させられてしまう。裕也さんを知った今、それだけは避けたい。何とかしないと。


 明日から午前中授業だけ。お昼の時間も話せない。どうすれば…。



 週末になってしまいました。裕也さんと夏に会う約束は出来ていません。三連休の後は終業式。




 俺は、終業式の日、体育館での校長先生の話とかが終わった後、教室に戻って来ていた。

「葛城、取敢えず八月三日、あそこで午前九時でいいな」

「ああ、小山内もそれで良いだろう」

「うん、佳織は葛城君と一緒に来るの?」

「多分一緒」



 あの人達は何を話しているのでしょう。何か待ち合わせの約束をしている様ですけど。



 担任の先生が入って来た。夏休みの注事項を話した後、通知表が渡されて終わった。

「葛城、またな」

「ああ、上野もな」

「葛城君、じゃあね。もう佳織の水着は見慣れた?」

「どういう意味だよ?」

「うふふっ、別にーっ。バイバイ」

 小山内の奴何勘違いしているんだ。


 鷹司さんが話を聞いたかもしれえないがこの位なら分からないだろう。さて、帰ったら佳織さんに連絡して夏の宿題だな。


 きっかけはつかめました。後は場所を特定するだけです。


――――― 

面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひフォローとご評価★★★★★を頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします。





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