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プロローグ



 新作始まりました。宜しくお願いします。


―――――


 俺、葛城裕也かつらぎゆうや。何処にでもいる普通の男子。俺には彼女が居た。少し背が小さいけど、とても綺麗な女の子、友坂美琴ともさかみこと


小学校の時、

「ゆう、何しているの」

「うん、空見ている」

「なんで?」

「雲の向こうにお父さん居るのかなと思ってさ」

「そっか、ゆうのお父さんいないんだよね」


 小学校では、毎日一緒で、周りに友達も一杯いた。



 中学も一緒だ。学区域が同じだから自然とそうなった。

「ゆう、また一緒だね」

「ああ」


 ゆうと私の周りには友達が一杯いた。毎日一緒に居る私達を見て、周りが夫婦、夫婦と揶揄って来るけど、悪意があって言っているんじゃない。楽しい会話の中の話だ。


 私達も心の中では嬉しかった。だって二人共そう思っていたから。そして高校受験の時は一緒に勉強した。祐也の家だったり、私の家だったり。


 でも祐也の家の時が多かった。私の家は自営業をしていて、両親とも仕事をしている。だから自分の家でやるより祐也の家でやった方が、両親の邪魔にならないと思ったからだ。


 この時には、もう事業が上手く行っていない事に薄々気付いていた。コロナの影響とか色々有ったからだ。中学生の私だってその位の事は分かる。



 二人で一生懸命勉強して、高校に受かったその日に私達は約束した。

「祐也、大きくなったら結婚しようね。子供を一杯産んで幸せな家庭を作ろうね」

「当たり前だよ、美琴と俺は運命の糸で結ばれているんだから」

「うん」

 幼稚園、小学校、中学校を入れればもう十年以上一緒にいる。好き同士な二人がこんな事を考えるのは必然と思っていた。


 祐也と一緒に都立高校に受かった時は両親が喜んでくれた。中学から二人の友人、上野小五郎うえのこごろう小山内琴吹おさないことぶきが、一緒に入学した。


上野は、背が高くイケメンで勉強も出来る。心の優しい男子。琴吹も可愛い顔で、名前が私と同じ琴の字が入っているからと中学の時から一緒に遊んだりして仲が良くなり、同じ高校に入学した。



 私が祐也と正式に恋人として付き合い始めたのは中学一年の時から、彼が私に告白してくれた。私も大好きだったので、直ぐに告白を受け入れた。


 それからは、二人で遊んだり、さっきの二人、上野と琴吹と四人で遊んだりもした。私の部屋に祐也を連れて来る時も有った。


 お父さんは、『美琴、どんなに大事な人でも高校出るまで十八になるまでは、祐也君といえども体を許してはいけない』そう言われた。


 この時は、まだそんな感情も彼に抱いては居なかったので、真っ赤な顔してそんな事しないわよ、ってお父さんに返したら笑っていた。



でも…。思春期ってやっぱり簡単じゃなくって、祐也のお母さんがいない時、祐也の部屋で許してしまった。これは二人が必ず結婚するって証だから。二人でそう話しての事だった。でもその時一度だけ。それからはしていない。

 

 それから一緒に都立巻島まきしま高校に一緒に入った。そして高校生活も順調に過ごせていけると思っていた。




 一年生の二学期が始まった日曜日、俺は美琴と約束して遊ぶ約束をしていた。待合せ場所に十五分前に着いて美琴を待ったけど、三十分過ぎても来ない。


 スマホに連絡しても出ない。美琴が事故にでも遭ったんじゃいかと心配になり、美琴の家に行くと信じられない光景を見た。美琴が俺の知らない男と手を繋ぎながら笑顔で彼女の家に入って行く。


 そんな馬鹿な。俺は走りだして、美琴に声を掛けようとしたところで二人は、玄関の中に消えた。


 立ち尽くすしかなかった。十分経っても、三十分経っても、一時間経っても出て来ない。仕方なく、俺は帰る事にしたけど…。


 でも今、スマホに連絡すれば、彼女は出るかもしれない。急いでスマホを取出して掛けたけど…出なかった。



 何が何だか分からないままに、俺は電車に乗って家に帰った。美琴とは近所とか幼馴染とかじゃない。二駅離れている。


 幼稚園の時に知り合って、同じ小学校に入って、同じ中学に入って、そして今の都立巻島高校、この辺では一番の進学校に入学した。受験勉強だって二人で一生懸命した。なのに。なぜ?




 私は、一年の二学期の始めの日曜日、祐也とデートを約束している日に、家に男の人二人がやって来た。そして私はお父さんに呼ばれた。


「美琴、紹介する。こちらお父さんの仕事の融資をしてくれている金丸時則かねまるときのりさんだ。そして隣の人が息子さんの真司さんだ」

「初めまして。友坂美琴です。父が大変お世話になっております」

「おお、礼儀正しいお嬢さんだ。それにとても綺麗だね。真司、お前も挨拶しなさい」

「俺、金丸真司かねまるしんじ。宜しく」


 体が細くて軟そうな男。私の顔も見ないで挨拶している。祐也の様にはっきりと相手の顔を見て話すタイプじゃない。


「実は、美琴。真司君が、お前の事偉く気に入ってくれていてね。お付き合いしたいと言っているんだ。どうかな?」

「お父さん、私は…」

 お父さんだって私が祐也と付き合っている事分かっているはずなのにどうして…。


「美琴さん、無理にとは言わない。真司が気に入らなければ別に付き合わなくてもいいんだ。だが、全く話も無しに付き合わないとは言わないでくれ。これでも筑和ちくわ大付属高校だ頭はいい」

「美琴、金丸さんもああ言ってくれている。どうかな」


 私は、融資の条件に私が、この男と付き合い事が条件に入っている事を理解した。でも私には祐也が居る。どうしよう。


「美琴、少し真司君と話してみたらどうだ」

「それがいい」

「でも、私はこれから行く所が…」

 お父さんだって今日祐也と私がデートする事分かっているはずなのに。


「なに、少しだけだ。スマホは置いて行きなさい。私が預かっておく」

「えっ?」

 どういう事?


 でもその雰囲気には逆らえず。祐也との待合せ時間が近付いているのに金丸真司と出かけなければいけなかった。


―――――

またこんな作品をと思われる読者様。やっぱりこんな作品も書きたくて。

今年のチャレンジ一作目です。


 主人公とヒロインの心の襞を現し切れないかも知れませんが、もっと何とかしろと思われているかもしれない読者様、うんこれがいいよと思って頂ける読者様も厳しくも優しい目でフォローと★を頂けると嬉しいです。


宜しくお願いします。



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