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魔物の行進ー準備編ー2

 さて、移動も完了したしとりあえず現在の位置を確認しましょうかね。



 私は移動先の場所を知る為、マップの機能を使用する。それと同時に気を失っていたルナが目を覚ます。



「ん、ここは……っつ!」



 私は、一度ルナに目を向け再度マップへと視線を移す。



「おはようございます。ここは、私のダンジョンです。一応応急処置はしましたが、あまり動かない方がよろしいかと思いますよ」



 現在地は武装帝国レビルレイの領土内らしいです。

 確か、レビルレイは最先端の兵器を所有していて過去数十回にわたる魔物の行進を全勝したと言う話も聞いたことがありますね。



「しかし、また厄介な場所に移動してしまいましたね」



 私のダンジョンの魔物はほぼレベル1なので、そこそこ難易度は高めですね。

 ランクがクリスタルの冒険者が多数うろちょろしてるらしいので、とりあえず魔物達が育つまでは攻められない事を祈りましょう。



「ああ、そうだ。ルナさん、貴方どうします?今現状、貴方が元いた場所から結構離れてしまったみたいですが」



「どうしますと、言われても…」



「今なら、迷惑をかけたお詫びとしてグリムに送らせますが?」



 私は、玉座に肘をつきながらルナの返答を待つ。ルナは、少し考えた後何かを覚悟した様で口を開く。



「いや、サミリオンには戻らない。ユキネ、迷惑を承知でお願いする。私も仲間に入れて欲しい」



「ルナさんは言っている意味は理解してますか?私の仲間になると言う事は、人を殺すと言う事ですよ?」



「理解している。私の手はもう既に血で真っ赤に染まっている。今更、抵抗なんて無い」



 ユキネはルナの目を見つめ「やれやれ」と呟く。



「一週間後、魔物の行進があります。そこで、私の…いや、私達の働きを見てから決めて下さい。いざって時に怖気つかれたら迷惑ですからね」



「わかった」



 さて、ルナさんの事もこれで解決として……後は。



「では、私は2〜3日外に出てレベル上げとテイムをして来ますので、グリムは適当に冒険者でも誘い込んで出来るだけポイント稼いで貰って良いですか?クリスタルが出てきた場合は、グリムがお相手お願いします」



「ふむ、了解した。してこの嬢ちゃんはどうする?」



「ルナさん、一緒に行きますか?」



「いいの?いいなら一緒に行きたい」



 まあ、足手纏いにはならないでしょう。と言うかどっちかと言うと私の方が足手纏いになるかもしれませんね。



「わかりました。では、行きましょうか」



 私は、グリムに「よろしくお願いします」と伝え、ダンジョンの外へと移動する。



「さて、先にルナさんの事教えていただきたいのですが」



「わかった。私は、ルナ・ルミナスクローバー。レベルは15、ランクはエメラルド。魔法は闇魔法を得意としている。スキルは【超反応】【超加速】後は、ユキネに奪われた【未来視】を持っていた」



 レベル15!?思ったよりも高かったです……。ランクもサファイア位かと思ってました。


「では、私も。私はユキネ・ホワイトベル。レベルは5 ランクはルビー、スキルは……」



 言っても良いのでしょうか……んー、まあ良いですかね。



「失礼しました。スキルは【確率操作】【テイム】後はその他と言っておきます」



「スキルを奪うスキルは?」



「あれは、私のスキルでは無いです。あれは、この子のスキルです」



 ユキネは影から頭だけを出し耳をぴょこぴょこと動かしているカエデの頭を撫でる。



「なるほど。ん?何かいる」



 それは、さっきから気づいて居ました。私は気配察知を常に発動しているのでいち早く敵の存在に気付けるのです。



「数は3匹、ウルフが2とこれは……」



「まさか……クオンウルフ?」



 クオンウルフは尾が九本生えたウルフ種の最上位に位置する魔物で、防御力は低いが素早さ、攻撃力が異常に高く、自分より格上の相手にでも攻撃を仕掛ける獰猛な性格をしている。



「ユキネ、どうする…ってなんで、笑っているの?」



「良いですねーこの殺気が心地いいです。ニヒッ」



 ユキネは新しくDPで購入した〈白雪〉と〈黒雪〉を構え未だ姿を見せてないウルフ達に突っ込む。



「ルナさん、ウルフ二頭をお任せします。あ、それとこれ上げます」



 私は、持ってきて居た死者の大鎌をルナさんへと投げ渡し、姿を捉えたクオンウルフの顔に蹴りを叩き込み蹴り飛ばす。



 クオンウルフのレベルは45、目を離した瞬間には私の首が宙を舞うでしょうね。

 テイム可能確率は…予想通り0%ですね。弱らせれば確率上がるみたいなので、弱らせて行きましょうか。



「せいぜい楽しみましょうね!」



 私は、黒雪と白雪を逆手に持ち直しクオンウルフへと突っ込むと同時にスキル【連撃】【豪腕】【未来視】を発動する。



 クオンウルフの爪を未来視で避け股下を滑り抜け、九本の尻尾のうち一本を掴み刀を振るう。が、クオンウルフの強靭な体毛に刀が弾かれ八本の尻尾が私を襲う。



「やはり、防御が低いとは言えこれだけのレベル差ですからね攻撃が通らないのは必然ですね」



 八本の尻尾をくぐり抜け、白雪を地面に突き刺しニヤリと口元を歪める。



「見せて上げましょう。絶対なる白の世界を」



 ユキネの瞳が、桃色から白色に変化した瞬間、周りの景色が雪景色へと変化する。



 クオンウルフはいきなり変化した景色に困惑の表情を浮かべながらもユキネをしっかり睨みつけ警戒の態度を示す。



「なるほどなるほど。これは、いい」



 ユキネが、その場で白雪を振るうとクオンウルフの尻尾の一本が切り飛ぶ。



「グラァ!?」



「はは、これはこれは良いものを手に入れましたね」



 ユキネは、満面の笑みを浮かべクオンウルフを見つめる。

 その笑みを見たクオンウルフは、本能的にやばいと感じたのか雄叫びを上げ脱兎の如く駆け出す。



「やれやれ、そんなに怯えなくても良いでは無いですか…」



 ユキネが一歩踏み出すと、ユキネの姿が消えクオンウルフの目の前に姿を表す。



「おっと、テイム成功確率が0%から1%に上がってるでは無いですか。では、私と共に来ていただきましょうか【確率操作】【テイム】」



 私は、確率操作を使い成功確率を100%にし、テイムのスキルを発動する。

 クオンウルフの首に魔法陣が現れ赤く光った後空へと消える。



「おや?レベルが大幅に上がりましたね」



 私のレベルはレベル5からレベル13まで一気にUPして居た。

 今更ながらレベルの上げる利点は色々あります。まずは、ステータスの大幅の上昇。稀にではあるが新たなスキルの発現などですね。



「ユキネ、こっちは終わった」



 ルナさんが、頬っぺたにつけた血を拭いながらトテトテと歩いてくる。



「ルナさん、お疲れ様です。こっちも今終わった所です」



 私の足元でお座りしているクオンウルフの頭を撫でながら白雪を鞘に納める。

 真っ白だった空間が音を立て崩れ、元の景色へと戻る。



「あの白い空間は何?」



「ああ、あれはこの刀、白雪のスキルです」



「武器にスキルがあるなんて聞いたことがない」



 と、言われましてもねぇ。あるもんはあるんです。



「ルナさんに渡した、死者の大鎌にもスキル付いてますよ?」



「え?でも、私使えてない」



「それは、どんなスキルが付いてるか把握してないからですね。帰ったら教えて上げますね。お互い後、数レベル上げたら帰りましょうか」



 ルナさんが頷くのを確認し、反応のある方向へと歩みを進める。

 あ、ちなみにクオンウルフの名前はクオンとしました。

所有スキルは【神速】【成長加速】でした。



 欲しかったスキルに新たな戦力。始まりは上々ですかね。



ユキネ・ホワイトベル

レベル13

ランクルビー

所有スキル

【確率操作】【テイム】【連撃】【豪腕】【未来視】【気配察知】【白の世界】【黒の世界】


カエデ

変更なし


NEW

クオン(クオンウルフ)

レベル 45

ランクSS

所有スキル

【神速】【成長加速】


ダンジョンモンスター

変更なし

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