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チートスキル【確率操作】を駆使する異世界生活  作者: arice


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[天魔祭]レイド戦-カミラ2-


 白銀の鱗を持ち2対の翼が生えた銀色龍が、周りの土煙を吹き飛ばし姿を表す。


 いきなり出現した龍に魔物達は慌てふためき柱の方へと一斉に走り出す。


「全部纏めて破壊する!」


 銀色の龍の口に光が集まりだし数秒もしないうちにその光が放たれる。

 放たれた光は光線となり、魔物は勿論、部屋の壁まで貫通し薄暗かった部屋が明るくなる程の穴が空いた。



「全部、全部、ゼンブ……コワシテヤル」



 龍がそういうと今まで黄色かった目が赤く染まり出し龍は雄叫びをあげブレスを連続で放つ。

 そんな、ブレスに部屋が耐えれるはずもなくガラガラと音を立て部屋全体が崩れ出し、数分もしないうちに部屋の中は瓦礫で埋め尽くされた。



「おい、なんだあれ」


「龍?」



 カミラがいた部屋の近くには他のレイド戦の参加者達がいて、各々自分達の目標のボスである魔物と対峙している所だったが、龍となったカミラの姿を見て悲鳴をあげながら全員が逃げ出す。


「おいおい、レイド戦のフロアが隣同士なんて聞いてないぞ」


「えー本来なら壊れるはずもない部屋なのですが……」


 と、その光景をモニター越しで見ていた観客、司会者が困惑した様にモニターを見つめる。



 カミラが、他の参加者のボスを攻撃し、その攻撃の余波で逃げ回っていた参加者達が巻き添えに合い、死んでいく。


「とりあえず、あの銀の龍を倒さないと俺達は帰れなさそうだな」


「あれを!? 無理だろ」


 生き残った参加者達がカミラを見上げながら各々武器を構えカミラに向かって魔法を放つ。

 放たれた魔法は、カミラに命中するも硬い鱗で護られたカミラには傷一つつけることは出来ず、逆にカミラの尻尾の薙ぎ払いにより跡形も無く消える。



(モット……ツヨク……ナラナイト)



 カミラはそう呟き天井にブレスで穴を開け外へと飛び出そうと穴に向かって飛び立つ。



…が、次の瞬間カミラの頭に衝撃が走り地面へと高速で落下し地面にでかいクレーターを形成した。



「だから、言ったんですよ……完全な龍化はするなと」


 穴の中から黒い翼を生やしたユキネがゆっくりとカミラの上に着地し更に起きあがろうとしていたカミラの顔面を蹴り地面に叩きつける。


(ユキ……ネちゃ……ん?)


 ユキネの一発……追い討ちの一発により少しだけ理性を取り戻したカミラが空に浮いているユキネに目を向け不思議そうな顔をする。


「すいませんが、龍語は分からないので元の姿に戻るまでぶん殴りますね」


 ユキネはニコッと笑った後、カミラに向けて急降下し腹へと勢いよく着地する。



(コウゲキシテクルナラ、コイツモコワス)


 再度、理性を失ったカミラがユキネに向けてブレスを放つが簡単に防がれカウンターの拳を顎に喰らわされカミラは仰向けに倒れ込む。


 そして、ユキネに攻撃を受け続ける事数分。


 カミラは完全に気絶しその姿が徐々に元の人の姿へと変化していく。

 その姿をみたユキネがやれやれと首を振りカミラの角を掴み、降りてきた穴へと飛び上がり姿を消した。



「えーっと、この場合は……ええ、はい。わかりました。 え?えー」


 司会者の人が耳に手を当てて何やら嫌そうな顔をしながらもマイクを手に取る。


「んん、さあ、皆さん盛り上がったレイド戦もこれにて終了となります! クリアチームは合計3チーム!

先ずは、ユキネチーム! 過去最速でのクリアとなります!」


 司会の人は咳払いをしながら言葉を続ける。


「二番目にクリアしたのは、黒煙の騎士に見事な勝利を見せたセラチーム! 三番目は、双鍵の獅子を見事討伐した、アランチーム!」


 どうやら司会者の人……と言うよりは主催がレイド戦を無理矢理終わらせる様にしたらしく、司会者の人は渡された紙を淡々と話していく。

 銀の龍についてなどの説明云々はしない選択をした様で当然、観客からはブーイングの嵐となった。


 そんなこんなで、カミラのレイド戦はリタイアという形で幕を閉じた。


 カミラが相手にしていた魔物達はギルドから派遣されていたダイヤモンドランクの人達に寄り外に出る前に無事一掃されたらしい。

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